乃木坂46の高山一実さん(撮影/篠塚ようこ)
乃木坂46の高山一実さん(撮影/篠塚ようこ)

高山:亀井美嘉は一番人気が出ないと思っていました。実生活ではあまり出会ったことがないタイプの子だったんです。陰のオーラをまとっている、自分と真逆の性格の子です。4人それぞれのキャラクター設定をはっきりさせたくてそうしました。髪形もバランスを考えて決めましたが、やはり亀井のような黒髪ロングの女子高生って正義なのかなと思いますね(笑)。大河くるみは、男性はこういう子が好きじゃないかなという、「かわいい」を詰め込んだような子です。歌やダンス以外に没頭しているものがある、一芸を持っているというのが強くて、推したくなる要素があります。

――アイドルプロデューサーのような視点ですね。

高山:こんなグループがいたら乃木坂46にとって脅威だなと思うアイドルを、好きなように組み立てました(笑)。

――ラストシーンは余韻がある終わり方でした。続編を期待してしまいます。

高山:キャラクターが自分のなかはっきりしているので、書くことはできると思います。

――高山さんはインタビューで、「今まで卒業してきたメンバーって、みんな最後に“発光”して卒業する」「それだけの光を放つのは、やりきったという自信があるから」というご発言をされています。そういうメンバーを身近で見てきたのは、この作品を書く上でも大きな経験でしたか。

高山:まだ知名度がない時代からずっとメンバーを見ているので、アイドルとしてというより、人間として発光している感じがしています。本当に人間として大きくなってはばたいていく。メンバーがモデルというわけではありませんが、『トラペジウム』はメンバーがいてこそ書けた小説です。

(聞き手・構成/編集部・小柳暁子)

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