小学2年生の長男、5歳の次男、3歳の長女のきょうだいを抱えて日々育児に奮闘している、クワバタオハラのくわばたりえさん。学習は主にリビングでしているけれど、手紙類やおもちゃなどが雑然としているリビングを見ると、とても学習をする場ではないと感じてしまうとか。『AERA with Kids』(朝日新聞出版)春号で、教育のプロ小川大介さん、収納のプロ宇高有香さんに「どうしたら快適なリビング学習になるのか」を教えてもらいました。

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くわばた:リビング学習がいいということは、以前から聞いてたんです。うちでも平日は、リュウ(小2の長男)が一人で宿題をやっているからいいんですけれど、週末はリビングに家族がいるし、テレビがついているじゃないですか。こんな騒がしい場所で勉強はムリだなって思って。

小川:なるほど……。実は「いい」とされているリビング学習は、テレビがついてない前提なんです。

くわばた:そうですよね!

小川:さらに、小さい子がいることも想定されていないです。一人っ子とか、きょうだいがいてもそれぞれ自分のことができる年齢の話なので、少し混乱するかもしれませんね。そもそも「リビング学習」はリビングで勉強をすることが目的ではなくて、「家の中の空間を学びに合わせて使い分ける」という考えがもとになっているんです。

くわばた:使い分ける?

「場所よりも『どんな環境なら集中できるか』を考えてみて」(小川さん、撮影/鈴木芳果)
「場所よりも『どんな環境なら集中できるか』を考えてみて」(小川さん、撮影/鈴木芳果)

小川:子どもの学びっていろいろあるじゃないですか。宿題やワークみたいに集中して机に向かうものもあれば、地図や図鑑を見たり、リュウくんみたいに工作をしたり広げて取り組む学びもある。リビングなら両方の学びを一カ所でできるし、親子で会話ができたり、共感したりしながら学習できる。達成感や安心感もあって子どもも成長するから「リビング学習はいい」と広まるはずだったんです。

くわばた:リビング学習だから、なんでもかんでもリビングでやったらいいと思っていたけど、違うんや。

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AERA編集部
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NEXT本来のリビング学習の意味からずれて広まっている
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