大宮エリーさんと山崎直子さん(撮影/大野洋介)
大宮エリーさんと山崎直子さん(撮影/大野洋介)

 作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。宇宙飛行士の山崎直子さんが卒業設計で提出したという「宇宙ホテル」について聞きました。

*  *  *

大宮:東大での生活、どうでした?

山崎:そうですね……。

大宮:みんな言いよどむんです(笑)。

山崎:どうだったかなあ。駒場時代はESSに入って英語劇をやってたんです。いろんな人に出会えたっていうのがすごく楽しくて。

大宮:本郷ではわりと忙しかった?

山崎:理系は忙しかったですね。

大宮:卒論を書いて卒業でしたか。

山崎:卒論と卒業設計の二つを書きました。

大宮:卒業設計ってなんですか。

山崎:今日、製図を持ってきたので、お見せしてもいいですか?

大宮:ああ、ありがとうございます。スペースホテル? 面白い! 宇宙にお客さんが行ったときに泊まれるホテルですか。わりと「銀河鉄道999」に近いですね。入り口は?

山崎:ここからドッキングをして、入り口があって、中はグルッと通路でつながっています。

大宮:何人ぐらい泊まれるんですか。

山崎:一つの部屋に2人ぐらいで、何十部屋かあります。

大宮:そんなに!

山崎:当時から清水建設さんとかが宇宙ホテルを発表していて、すごいかっこいいなと思って、じゃあ自分で設計したらどうなるかな、と。なので、構想自体は、すでにいろんな人が提案していたものなんですけど。

大宮:宇宙工学を使って作ったわけですね。観光プランとかも?

山崎:観光プランまでは作ってないですけど、窓は一応、地球側に設置してます。

大宮:よく「オーシャンビュー」ってあるけど、「アースビュー」ですね。

山崎:そうです! 素敵な言葉をいただきました!

大宮:「アースビュー」って今後来そうですね。でも、普通の人はまだ行けないだろうな。

山崎:20年後ぐらいには行けるようになると思います。

次のページ