5月7日夜、イギリスから帰国し、政府専用機から腕を組んで降りてきた秋篠宮ご夫妻
5月7日夜、イギリスから帰国し、政府専用機から腕を組んで降りてきた秋篠宮ご夫妻

 眞子さん結婚を始めとして、最近では英国の新国王戴冠式の参列など、世間からの風当たりを強く受ける秋篠宮家。一方、「国際ガールズメッセ」や全国高等学校女子硬式野球選抜大会の観戦など、ジェンダー平等に向き合う佳子さまの活動に注目が集まっている。AERA 2023年5月22日号の記事を紹介する。

【写真】まさか1人だけドレスコードが伝わっていない?女性皇族がずらりと並んだ一枚

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 秋篠宮さまは2006年11月、誕生日にあたっての記者会見で女性皇族の役割についてこんなふうに述べた。「私たち(男性皇族)と同じで社会の要請を受けてそれが良いものであればその務めを果たしていく。(略)これにつきましては、私は女性皇族、男性皇族という違いは全くないと思っております」

 悠仁さまが生まれて2カ月余りのことで、これが秋篠宮さまのジェンダー意識の出発点だとすれば、22年に出版された『秋篠宮』にはその進化形が見える。著者の江森敬治氏が秋篠宮さまから直接聞いたのが、こんな言葉だ。「多様なジェンダーが認識されている現在、私の周辺環境においても性的少数者のことを常に意識していく必要があると思っています」

 秋篠宮さまと30年以上に及ぶ親交がある江森氏の筆から浮かび上がる秋篠宮像に触れ、佳子さまのジェンダー観のルーツは秋篠宮さまなのだと理解した。だからこそ、秋篠宮家は「ジェンダー平等」を意識した活動を増やせばよいと思うのだ。新たな皇室像はきっと浸透し、秋篠宮家の存在感も増すはずだ。

戴冠式前日の5月5日、レセプションでチャールズ新国王と談笑する秋篠宮ご夫妻。紀子さまは淡いロイヤルブルーのドレス姿だった(KCS/アフロ)
戴冠式前日の5月5日、レセプションでチャールズ新国王と談笑する秋篠宮ご夫妻。紀子さまは淡いロイヤルブルーのドレス姿だった(KCS/アフロ)

■これまでずっと民間機

 とはいうものの、昨今の佳子さまといえば、「両親との不仲&別居」がもっぱらの話題だ。ことの真偽を知る立場には全くないが、28歳の働く女性が両親からの独立を願うことはごく普通のことだと思う。親子が一緒に住もうが住まなかろうが、そんなことどちらでもよいと小さく訴えつつ、秋篠宮さまと紀子さまの「腕組み」に話を戻す。

 お二人は13年からの10年間に、15カ国を公式訪問している。といってもコロナ禍前までだから、実際は19年までの6年間なのだが、タラップで腕を組んだことがあったのだろうかとふと思い、過去の写真を探してみた。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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