コロナ5類移行後、海外旅行はどうなるのか/(c)gettyimages
コロナ5類移行後、海外旅行はどうなるのか/(c)gettyimages

 マスクの義務化が終了し、新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられた。5月5日、WHOは緊急事態宣言の終了を発表した。制約がなくなるなか、海外旅行を計画する人も少なくない。どんな点に気をつけるべきか。関西福祉大学教授・勝田吉彰さん、航空・旅行アナリスト・鳥海高太朗さんに聞いた。AERA 2023年5月15日号から。

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Q:海外旅行を計画しています。出入国時の水際対策はどうなりますか?

A:検疫法に基づく水際対策は原則としてなくなる。

 これまでは海外から帰国する日本人を含め、日本に入国する人はワクチンの3回接種証明書または出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提示が必要だった。

 水際対策は、検疫法で「検疫感染症」に指定されている感染症について実施される。5類の感染症は対象外なので、原則として水際対策はなくなる。

 ただし政府は、成田、羽田、関西などの5空港で、症状のある入国者について任意で感染症の病原体の遺伝情報を解析する、「感染症ゲノムサーベイランス」を新たに始める。発熱やせきなどの症状がある場合に任意でウイルス検査とゲノム解析が行われる見込みだ。

 入国先の国については何らかの制限が残っている場合もあるので、外務省「海外安全ホームページ」などで概要を個別に確認しよう。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん/航空会社の最新動向や旅行業界のトレンドについて取材。帝京大学理工学部非常勤講師
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん/航空会社の最新動向や旅行業界のトレンドについて取材。帝京大学理工学部非常勤講師

勝田「コロナは完全に終息したわけではないので、その国がとっているコロナ対策について、入国前にある程度は調べておきましょう。各国がそれぞれのコロナ対策の基準を定めています。例えば、米疾病対策センター(CDC)のホームページを開くと、『もしコロナの患者と接してしまったら』などケースごとの対応について書かれています。現地でも、ホテルのコンシェルジュに聞けばすぐに教えてくれるでしょう。

 同時に、旅行前に旅行先の感染症流行状況を把握しておきましょう。新型コロナが流行しているようなら、『マスク着用』『人混みを避ける』などの基本的な感染対策を取りましょう。新型コロナ以外の感染症流行についても、最低限、外務省や検疫所のホームページで確認しましょう」

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