AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
* * *
Q:地方でフリーランスをしていますがコロナで仕事が減。転職もうまくいかず、バイトでしのごうと思っても、年齢&フリーの仕事の時間の都合があり、不採用に。視点を変え資格を取ってみる?とも思いますが財力もなく。言い訳ばかりなのはわかっていますが、どうしても頑張るぞ!という気力がわきません。途方に暮れています。(女性/フリーライター・編集/48歳/おとめ座)
A:今回この相談を読んで、なんとなく今の僕らが立っている時代背景が浮かび上がってくる感じがしました。そして思ったのが、今って日本にいる全員が「留学」を必要としているのかも、ということ。
つまり、これまで自分がいた場所の外に学びに行くこと。
今までのやり方で行き詰まり、右肩上がりではなくなった今、日本にいる僕らはどこか自信を見失ってしまった状態にいます。戦後、日本が世界のモデルになっていた時代には、外から日本に学びにくる人たちも多くいましたが、今はまた外に学びに行くサイクルが来ているんじゃないかと思うんです。
新しい世界に自分から学びに行くことを、苦行とするのか、楽しめちゃうのか。
例えば「1回飲食店で働いてみたかったんだよな」と思えて動ける人のほうがハッピーになれるというか。今そういう岐路にみんなが立っている気がします。仕事にプライドと責任感を持ってキャリアを形成してきた人たちこそ、この岐路でジャンプをすることにきつさを感じてしまうこともあると思います。でも、留学のいちばん最初って、心細さと不安はつきもの。乗り越えた先に、きれいな街並みや人との出会いがあるはずです。