宇野昌磨(うの・しょうま)/1997年生まれ。2018年平昌オリンピックで銀メダル、22年北京オリンピックで銅メダルを獲得。全日本選手権4連覇(16-19年)(撮影/蜷川実花、hair & make up ShinYa styling 望月 唯 costume ACUOD by CHANU、The Viridi-anne、Dr.Martens prop styling 遠藤 歩)
宇野昌磨(うの・しょうま)/1997年生まれ。2018年平昌オリンピックで銀メダル、22年北京オリンピックで銅メダルを獲得。全日本選手権4連覇(16-19年)(撮影/蜷川実花、hair & make up ShinYa styling 望月 唯 costume ACUOD by CHANU、The Viridi-anne、Dr.Martens prop styling 遠藤 歩)

 グランプリシリーズスケートカナダ、NHK杯、グランプリファイナルと勝利を積み重ねてきた宇野昌磨選手。3月にさいたまスーパーアリーナで開幕する世界選手権に挑む。AERA 2023年3月27日号から。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾った宇野昌磨はこちら

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――今季のフィギュアスケート男子の主役は、間違いなく彼だ。宇野昌磨(25)。グランプリ(GP)シリーズのスケートカナダとNHK杯を2連勝し、昨年12月のGPファイナル(イタリア)で初優勝。全日本選手権では5度目の優勝を果たした。

 3月22日にさいたまスーパーアリーナで開幕する世界選手権では、日本勢初となる連覇がかかる。彼を阻むものは、今のところ見当たらない。「孤高」の王者が挑むのは、自分自身だ。

宇野昌磨(以下、宇野):もちろん、(連覇を)期待されていることに応えられる演技をしたいと思っています。けど、まず一番はケガをしないことだと思っています。万全な状態で試合に挑みたい。

 日々の練習は絶対におろそかにせずやると思うので、そこはあまり心配はしていないです。気合を入れすぎてケガをしないように。それ以外は、何も考えなくても僕は絶対にやると思っています。

――今季は10月のジャパンオープンから「無敗」で走り続ける。 

宇野:それは偶然でもあり、偶然じゃない部分もあります。「偶然」というものを日々の練習で偶然じゃないものにしているのは、自分の成果だと思うんです。けど、フィギュアスケートは一発なんです。本当に一発勝負で、どれだけすごい選手でも失敗したら順位は落ちてしまう。いかに失敗しないパーセンテージを上げていくのかが、日々の練習からつながってくると思います。

■失敗を恐れない理由

 その一方で、あまり失敗というものを恐れていないのも事実です。今25歳で、20年間もスケートをやっているからなのか、あまり失敗を恐れなくなりました。実際に失敗しても、皆さんが思っているほど、大きなものを失うことはないと思う。

 それは、周囲の方やファンの方々が、これまで僕が失敗してきた中でも応援してくださったり支えてくださったりして、それを経験したからこそ言えることだと思うんです。

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