photo 草野清一郎
photo 草野清一郎

 2月22日はの日。発売中の「NyAERA(ニャエラ)2023」から、旅猫ニャン吉の視察レポートをお届けします。

【写真】まるでパラパラまんが!?パトロール中のニャン吉の写真はこちら(全8枚)

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 本城の天守閣を背景に、ニャン吉はちょっぴり首を傾(かし)げてポーズを決めた。

「いやあ、壮観ですね」

 感嘆の声を漏らしたのは、ニャン吉。ではなく、飼い主でニャン吉専属カメラマンでもある飯法師(いいほし)昭誠さんだ。

 ニャン吉は47都道府県を全制覇した、生きる伝説級の旅猫だ。普段暮らしている福岡や縁のある阿蘇はもちろん、初来訪の土地でも心ゆくまでパトロールすることを信条とする。世界遺産・軍艦島(端島)にも上陸したことがある。

 本日、ニャン吉がやってきたのは、熊本地震による被害から復旧中の熊本城。熊本市の特別な許可を得て、城内を案内してもらっている。

 ニャン吉、地震被害以前の熊本城の近くを通りかかったことはあるが、城内に入るのははじめてだという。

 熊本城総合事務所の國本樹子さんが、今ならではの見どころを教えてくれた。

「特別見学通路では地上約6メートルの高さから、地震で受けた被害や復旧工事の様子を見ることができるんです」

 今なお残る地震の爪痕に心が痛む。熊本城では復旧・復元のための寄附制度、復興城主制度を設けている。1回1万円以上の寄附者を対象に城主証の発行などを行う。昨年12月、城の完全復旧は予定されていた2037年度から15年先、2052年度になる見通しと発表された。

■最強の城と最強の旅猫

「私が生きている間には見られないかもしれませんが、皆さまへの感謝を忘れず、100年先を見据えつつ、一日も早い復旧を目指しています」(國本さん)

 ニャン吉は特別見学通路にしばらくの間たたずんだ。

 ちなみに熊本城もかなり特別な城だ。並みいる城の中で、SNSでの発信力が別格なのだ。熊本城ツイッター公式アカウントからメッセージが届いた。

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