横山光昭(よこやま・みつあき、51)/マイエフピー代表、家計再生コンサルタント。家計相談歴20年以上。今年、大阪にも相談拠点をオープン(撮影/小山幸佑)
横山光昭(よこやま・みつあき、51)/マイエフピー代表、家計再生コンサルタント。家計相談歴20年以上。今年、大阪にも相談拠点をオープン(撮影/小山幸佑)

 食料品や日用品などの値上がりで、家計が厳しくなるばかり。節約のために、固定費である保険料を抑えることも一つの手だろう。本当に必要な保険を選べているだろうか。専門家が保険の選び方を伝授する。2022年12月5日号の記事から。

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 固定費の代表格といえば保険料だ。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」によれば1世帯当たりの保険料平均は月々約3万1千円。本当に必要な保障を選べているだろうか。家計再生コンサルタントの横山光昭さんは助言する。

「小さな子どもがいれば親の死亡保障が基本的には必要です。ただし『死亡保険に入っていればなんでもよい』わけではありません。きちんと加入の目的を考えず、『お金が貯まっているから』と数百万円の死亡保障だけの終身保険に入っている人もいらっしゃいます。また、高い保険料を払っているから安心している方も。どんな保険に入るにせよ、目的に即した内容でないと意味がありません」

 死亡保障には、「遺族への保障」と「葬式代」という二つの目的がある。自分にはそれぞれいくら必要か、貯金でまかなえないかを考える。

「たとえばお葬式代は貯金でまかなおうと考えるなら、終身保険は不要になるでしょう。子どもがまだこれから教育費もかかる年齢であれば、子どもの成長と共に保障額が減っていく収入保障保険で保険料を抑えつつ、効率よく『もしも』に備えるのがおすすめです」

 収入保障保険とは、ある期間内に死亡した場合、所定の保険金を年金形式で受け取ることができる保険。定期型の死亡保険の一つだ。もし加入者が保険期間内に亡くなったら、遺族はあらかじめ決められた保険期間が終わるまで定期的にお金を受け取れる。毎月ではなく一括で保険金をもらう選択肢もある。

 収入保障保険は契約から年数が経つごとに、受け取れる保険金の総額が減る。加入直後は保障が大きく、その後だんだん小さくなっていくということだ。一般的な死亡保険より保険料を抑えられることが多い。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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