元朝日新聞記者 稲垣えみ子
元朝日新聞記者 稲垣えみ子

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】稲垣さんが素晴らしすぎて腰かしたという大好きな「シフ様」の演奏会

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 拙著『老後とピアノ』が思いのほか反響を呼んでいる。というのは、世の中には「いつかはピアノ」と夢を抱いている人、そして夢を実現された方が実は大勢おられたのだ。でもそこからが真の試練の始まりで、容赦なさすぎる壁にぶち当たりまくるのがピアノというもの。その涙と苦闘の記録に「そうそうそうなんだよ~」と熱く共感して頂いたことが長文の読者ハガキから伝わる日々。

 で、無論それは誠にありがたいことなんだが。

 反響を受け、敬愛する先生(若きピアニスト!)とトーク&演奏をするという野心的すぎる営業活動に挑んでエライ目にあったことは前にもご紹介したが、それが奇跡的に無事終了したことについ気が大きくなり、コレ全国でもやりましょうという主催者提案にうっかり同調してしまい、まさかの全国楽器店ツアーをやることになってしまった。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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