AERA 2022年12月5日号より
AERA 2022年12月5日号より

 これまでと同じ生活をしていても体感1~2割は生活費アップ。貯金は増えず、給与はたいして上がらない。節約のつらさを感じずにメスを入れられるのは通信費だ。節約テクニックを紹介する。「家計防衛」を特集した2022年12月5日号の記事から。

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 1人1台スマホを持つ時代、通信費も家計を圧迫している。「格安スマホに切り替えたら安くなる」と聞くものの、「シムロック解除」などという言葉を聞いただけで面倒くさそうで放置している人は多い。「通信スピードが遅いんでしょう?」と心配する人もいる。「あまり名前を聞いたことがない携帯電話会社はちょっと……」と二の足を踏む人も。やらない言い訳をしていては、家計を守れない。

 簡単なのは大手キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)で登場している格安プランに切り替えること。ネットを使って簡単に替えられる。2015年から7年間、「格安SIMの管理人」という名前でスマホに関するブログを更新し続けている末田正さんに話を聞いた。末田さんは各社21プランの回線スピードのリアルタイム計測結果をスコア化し、サイトに載せている。

「ドコモの『ahamo(アハモ)』、auの『povo(ポヴォ)』、ソフトバンクの『LINEMO(ラインモ)』は各社の通常プランとほぼ同じ回線を使っており、通信スピードに不満はないはずです。ahamoは20ギガで2970円。povoとLINEMOは3ギガで990円。毎月、自分が使うギガ量に合うプランを選んでください。3ギガ程度しか使わないのにahamoを使っているなら、povoやLINEMOに乗り換えを検討しましょう」

 ahamoとLINEMOは1カ月単位の料金計算。povoは基本料金がなく必要に応じてトッピングを買う形で、「30日で3ギガ・990円」のトッピングが人気だという。外出が少ない人は、家ではWi-Fiで済ませ、たまに出かける際に「7日で1ギガ・390円」を買っているケースもある。より安くスマホを使うためのテクニックだ。トッピングはスマホのアプリで簡単に買える。

■通話料は別で考える

 通話は、ahamoは5分無料通話がもともと付帯されており、通話し放題は月額1100円を追加で払う。povo、LINEMOは5分通話が550円、通話し放題は1650円だ。最近は無料のLINE電話を使う人が増えた。追加で払うにしても5分無料通話で十分かも。

 悩ましいのは、ahamoの20ギガほど使わないが、3ギガだと足りない人だろう。その場合は3大キャリア以外の格安SIMサービスに挑戦するといい。

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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