商店街を視察し、精肉店で物価高の影響を尋ねる岸田文雄首相
商店街を視察し、精肉店で物価高の影響を尋ねる岸田文雄首相

 食料品や日用品など、さまざまなものが値上がりしている。物価高に対する生活防衛策について考えてみたい。2022年11月14日号の記事を紹介する。

【図版】インフレに打ち勝つ3つの方法はこちら

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 物価の上昇とは、すなわち購買力の低下(お金の価値が下がること)を意味する。インフレが進めば、家計はどんどん圧迫されていくわけだ。ファイナンシャルプランナーの菱田雅生氏は、その改善策について説く。

「インフレで苦しくなった家計を立て直す策は、(1)支出のムダを減らす、(2)収入を増やす、(3)資産を増やす──の3択。(1)では、毎月一定額の支出を伴う固定費見直しが最善で、ムダな保障を削る保険の見直しが典型例。これを機に、利用頻度の低いサブスクリプション(定額制)のサービスも解約しましょう」

 もちろん、固定費以外の支出もできるだけ抑えるのが基本となる。節約と言えば「我慢」を連想しがちだが、「たとえば週3回のペースだった夕飯の外食を1回に減らす一方で、1回当たりの予算を今までよりも増やせば、トータルの出費を抑えながら満足感が得られます」と菱田氏はアドバイスする。

 一方、ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美氏は、固定費の中でも通信費の見直しを積極的に進めたほうがいいと進言する。

「あちこちで値上げラッシュが続く中で、例外的に通信費は下がる方向にあります。だからこそ、格安SIMなどへ乗り換えれば、大幅に支出を抑えられます。また、国による援助が検討されているとはいえ、光熱費の高騰は家計にとって深刻。国の節電プログラムに参加すればポイントも獲得できますし、省エネに対する意識も高まります」

 まず、国が認定した小売電力会社の節電プログラムへ12月31日までに参加登録すると、一般家庭の場合で一律2千円相当のポイントが進呈される。そして、指定された節電量を達成できた場合にはボーナスポイントなどが上乗せされる。

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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