大宮エリーさん(左)と膳場貴子さん(photo 篠塚ようこ)
大宮エリーさん(左)と膳場貴子さん(photo 篠塚ようこ)

 作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。7人目のゲストはTBS「報道特集」キャスターの膳場貴子さんです。

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*  *  *

膳場:四半世紀も前のことだし……。

大宮:ですよね。でも東大の話ばかりの連載ではないの。あくまできっかけ。大学一緒じゃん!って。あまり人に出会わなくなってきたから。

膳場:そうですよね。私も職業柄、取材には行くけどもともとそんなに。

大宮:ね。あ、膳場さん、普段着?

膳場:仕事モードだと、どうしても「膳場キャスター」として受け答えしちゃう。今日はせっかく大宮さんに会えるんだからそれは絶対やめようと思って、普段着で来ました。

大宮:うれしい! お会いしてみたかったから。私たち同級生くらいだそうですよ。私は1975年生まれ。

膳場:私はその年の早生まれです。

大宮:おお! それにしても膳場さんはなんで東大行ったんですか?

膳場:なんでって考えてたんですけど……。一番近い大学だったんです。

大宮:加藤登紀子さんタイプ(笑)。

膳場:ただ近いだけじゃなく、そうね。そのころに父ががんで倒れまして、あまり大学に学費をかけられないような家の中の空気があったのと、私、中高で私立に行かせてもらっちゃったから、公立育ちの姉の目も気になって。私ばかりぜいたくしたらいけないって。

大宮:女子学院でしょ? 私も中学受験したけど御三家は憧れでした!

膳場:あれ、大宮さん、ご出身は?

大宮:出身は大阪なんですけど、小学校から東京にきたんですよ。そしたらすごくいじめられまして。念のため中学を見に行ったら窓ガラスが全部割れてたから私立に行こうと。

膳場:わー、すさんでる。でも、そういう時代でしたよね。

大宮:あと、私をいじめている人が塾に誘ってきたんです。塾ではいじめられなくて受験したくなった。

膳場:私も塾は安全な場所でしたよ。私も小学生のときにいじめにあって。

大宮:えっ、膳場さんでも?

膳場:あと、担任がよくどなる男性の先生で精神的に参って。それに気づいた母が隣の学校に転校させてくれたんです。大人になって振り返ると、よくそこまでしてくれたと思う。あれはほんとにありがたかった。

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