先のインタビューでは「旧統一教会からは脱会者が続出し、組織的危機を迎える」「国葬は盛り上がらず、首相は『やらなければよかった』と後悔する」と予測した。それくらいなら誰でも思いつきそうなので、ちょっと無理をして「来春の統一地方選では旧統一教会と関係のあった地方議員たちが大量に落選する」「その結果、首相の進退問題になる」と予測してみた。さらに「それと前後して旧統一教会と一蓮托生(いちれんたくしょう)で政治生命を失うのはたまらないという自民党議員たちが『クリーンな保守新党』を立ち上げ、国民民主党と立憲民主党の一部と連合を巻き込んで新しい政治勢力ができる」というところまで先走ってみた。言ってみてから案外ありそうな気がした。実際に観測気球を上げている人が永田町界隈(かいわい)にはもういるかもしれない。

内田樹(うちだ・たつる)/1950年、東京都生まれ。思想家・武道家。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。神戸女学院大学名誉教授、京都精華大学客員教授、合気道凱風館館長。近著に『街場の天皇論』、主な著書は『直感は割と正しい 内田樹の大市民講座』『アジア辺境論 これが日本の生きる道』など多数

AERA 2022年9月19日号

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内田樹

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内田樹(うちだ・たつる)/1950年、東京都生まれ。思想家・武道家。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。神戸女学院大学名誉教授、京都精華大学客員教授、合気道凱風館館長。近著に『街場の天皇論』、主な著書は『直感は割と正しい 内田樹の大市民講座』『アジア辺境論 これが日本の生きる道』など多数

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