公明党の支持母体である創価学会の会員の女性はこう嘆息する。

「党のスタンスを考えても、さすがに知っていて参加したとは思えない。『知らなかった』というのは本当だと思います。ただ、安倍氏銃撃事件から1週間以上たって関連団体についても多数の報道がされている時期に参加したとなると、さすがに脇が甘すぎるし、党の支持者としても恥ずかしいです」

■地方政治への浸透にも「力」

 WFWPやその他の旧統一教会関連団体はこれまで、その正体を巧妙に偽装してきた。盛月県議が参加したイベントは、県の外郭団体である静岡県国際交流協会が後援。朝日新聞記事によると、同協会はイベント終了後まで旧統一教会関連団体と認識していなかったという。

「世界平和」や「日韓友好」を掲げる自転車イベント「ピースロード」(天宙平和連合などの旧統一教会系組織が共催に名を連ね、実行委員会形式で運営)も、多数の議員の関与や公共団体の後援が明らかになった。

 ただ、いずれも団体名で検索すれば旧統一教会系の団体であることはすぐにわかる。

 山口弁護士は言う。

「統一教会は国政だけでなく地方政治への浸透にも力を入れていますが、事件後に明るみに出た一連の事例を見ると私たちの想像以上でした。イベントに参加するなど知らない団体と何らかの形で関与するときは、どんな背景や規約を持った団体なのか、最低限調べてから参加してほしいと思っています」

(編集部・川口穣)

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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