好調だった米国株が下落に転じ、不振が続いている。投資ビギナーの中には、買い続けることに不安を抱く人も少なくないようだ。現在の下落局面にどう向き合えばいいのか。AERA 2022年8月15-22日合併号の記事から紹介する。

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 年初から続く下落を投資ビギナーはどう感じているのか。メガバンク出身で、ユーチューブ「バンクアカデミー」のチャンネル登録46.9万人を獲得している小林亮平さんは語る。

「専門家の意見を確かめて、不安を和らげたいという声が目立ちます。『下げても買い続けていますが、本当にいいの?』という質問が典型例です」

 もう少し相場が落ち着いてから始めたほうが無難かと問われるケースも多いそう。

「結局“もう少し落ち着いてから……”を繰り返してしまい、いつまで経っても投資を始められないことになるでしょう。下がったら安く買えることを大きなメリットと考えてください」

 小林さんは下落時のスポット買い(ある程度、まとまった資金で買い増す)について、初心者向けに解説している。

「資金を、積み立て用とスポット買い用に分けます。積み立ては、止めません。そして直近の高値から10%下げるたびに、スポット買い用の資金の4分の1ずつを投入していきます。高値から20%下げたら、また4分の1を投入。これを繰り返せば、高値から40%の下落まで機械的に買えます」

 積み立ては中断せず、スポット買いもシステマチックに。相場に下落はつきものと受け入れ、感情を入れないのが基本だ。(金融ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)

AERA 2022年8月15-22日合併号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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