8月2日、日本記者クラブで第7波対策などについて発表する尾身茂・政府分科会会長(中央)ら
8月2日、日本記者クラブで第7波対策などについて発表する尾身茂・政府分科会会長(中央)ら

 感染拡大速度の速いオミクロン株BA.5系統により、第7波はかつてなく爆発的に感染者が増えた。今後、どう推移するのか。カギを握る可能性があるのは子どもと、新たに登場したBA.2.75系統だ。AERA 2022年8月15-22日合併号の記事から。

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 世界保健機関(WHO)によると、7月25~31日の1週間で、日本の新規感染者数は137万9099人を記録し、世界で最も多かった。

 第7波の感染爆発の主な原因の一つは、従来、流行していたオミクロン株BA.2より感染の広がりが1.3倍ほど速いBA.5に置き換わったことだ。

 感染は収束し、重症患者は比較的少ないままで推移するのか。そのカギを握る可能性がある要因は、子どもの感染と、新たなオミクロン株系統BA.2.75の動向だ。

 第7波では、子どもの感染が目立つ。大阪府では第7波の6月25日~7月26日の約1カ月で、小学生が約2万8千人感染した。これは、第6波(21年12月17日~22年6月24日)の約半年間に感染した小学生約9万人の3分の1近くにあたる。中学生は、第6波の半年間での新規感染者数の半数近くにあたる約1万5250人が、第7波の1カ月間で感染した。

 同府内の人口10万人あたりの年代別新規感染者数は、今年1月下旬以降、常に10代以下がもっとも多い状態ではあるものの、第7波に入ってその傾向がより顕著になった。7月20~26日の週、10代以下の人口10万人あたりの新規感染者数は2130.1人。その次に多い20~30代は同1634.3人だった。

■感染症の子どもが増加

 学校が夏休みに入った7月27日以降は子どもの感染の増加は緩やかになったものの、他の感染症も増加傾向にある。

 国立感染症研究所によると、第28週(7月11~17日)までの集計では、全国約3千の小児科からの患者報告で、RSウイルス感染症が9週連続で増えているほか、手足口病も10週連続で増えている。

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