最後のカットが前述の「浮かし撮り」を応用し、函館市電(函館市企業局交通部)のレトロ電車500型を撮影した作品。谷地頭線青柳町停留所付近で路線がアップダウンする地形を利用。坂下の歩道上から超望遠レンズを装填したデジタル一眼レフカメラで狙いを定め、メインモチーフであるレトロ市電を宙に浮かした。尾張屋橋の撮影から51年の歳月が流れていた。
市電が走った尾張屋橋は1981年に橋長183m、幅員21.8mのコンクリート橋に架け替えられ、上下それぞれ2車線の車道と、その両側には歩道が設置された。浜松町交差点から尾張屋橋に向うSカーブした取付道路が市電時代の面影を僅かに残している。
■撮影:1968年6月23日
※AERAオンライン限定記事
諸河久
諸河 久(もろかわ・ひさし)/1947年生まれ。東京都出身。カメラマン。日本大学経済学部、東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。鉄道雑誌のスタッフを経てフリーカメラマンに。「諸河 久フォト・オフィス」を主宰。公益社団法人「日本写真家協会」会員、「桜門鉄遊会」代表幹事。著書に「オリエント・エクスプレス」(保育社)、「都電の消えた街」(大正出版)「モノクロームの東京都電」(イカロス出版)など。「AERA dot.」での連載のなかから筆者が厳選して1冊にまとめた書籍『路面電車がみつめた50年 写真で振り返る東京風情』(天夢人)が絶賛発売中。
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諸河久
諸河 久(もろかわ・ひさし)/1947年生まれ。東京都出身。カメラマン。日本大学経済学部、東京写真専門学院(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。鉄道雑誌のスタッフを経てフリーカメラマンに。「諸河 久フォト・オフィス」を主宰。公益社団法人「日本写真家協会」会員、「桜門鉄遊会」代表幹事。著書に「オリエント・エクスプレス」(保育社)、「都電の消えた街」(大正出版)「モノクロームの東京都電」(イカロス出版)など。「AERA dot.」での連載のなかから筆者が厳選して1冊にまとめた書籍『路面電車がみつめた50年 写真で振り返る東京風情』(天夢人)が絶賛発売中。