【ホテル椿山荘東京/ル・ジャルダン】(photo 写真映像部・高野楓菜)
【ホテル椿山荘東京/ル・ジャルダン】(photo 写真映像部・高野楓菜)

 午後のひとときを紅茶とともに。手の込んだ軽食やスイーツを味わえば、心も贅沢に。辛党の記者が初体験。AERA 2022年7月18-25日合併号より紹介する。

【画像】「正統派」からお酒と楽しめる店まで、様々なアフタヌーンティーと基本マナーはこちら!(全8枚)

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 まずはアフタヌーンティーの先駆け、ホテル椿山荘東京へ。

 優雅なひとときを過ごせるのはロビーラウンジの「ル・ジャルダン」。初夏にはホタルが飛び交う広大な庭が見渡せる贅沢(ぜいたく)な空間だ。1952年にガーデンレストランとして開業。92年に敷地内に「フォーシーズンズホテル椿山荘 東京(現ホテル椿山荘東京)」がオープンしたのをきっかけに、アフタヌーンティーを始めた。マーケティング部門の中野佑美さん(27)によると、もともと安定した人気があったが、「ヌン活」熱を実感したのはコロナ禍だという。

「外出や外食を自粛する空気のなかで『ホテルだったら安心』と感じる方が多かったようです。スタンドで提供し、完全予約制で密を避けられる、という利点もあったのだと思います」

 こんもりした緑の森を眺めながら、エリザベス英女王在位70年を記念した「プラチナ・ジュビリー アフタヌーンティー」をいただく。3段のプレートが重なったスタンドに、下段がサンドイッチなどのセイボリー(塩味の食べ物)、中段にスコーン、上段にスイーツがのっている。ピンクのプチケーキは女王の帽子そのままで可愛らしい。

【ホテル椿山荘東京/ル・ジャルダン】四季折々の風景にあわせて変化するメニューがリピーターを魅了する。「プラチナ・ジュビリー アフタヌーンティー」はウェブ予約で税込み5450円。月末まで満席だが、キャンセルがあれば予約できる
(photo 写真映像部・高野楓菜)
【ホテル椿山荘東京/ル・ジャルダン】四季折々の風景にあわせて変化するメニューがリピーターを魅了する。「プラチナ・ジュビリー アフタヌーンティー」はウェブ予約で税込み5450円。月末まで満席だが、キャンセルがあれば予約できる (photo 写真映像部・高野楓菜)

■繊細な細工もお見事

 花束をイメージした「スモークサーモンのムース」は、ディルとケッパーの風味が利いている。繊細な細工と味わいはさすがホテルメイド。2時間制で、約20種類の紅茶とコーヒーのおかわりは自由だ。

 メニューは1カ月半~2カ月で替わる。「プラチナ・ジュビリー」は7月末までで、8月からは夏向けの「ピーチ アフタヌーンティー」がスタート。秋はマロン、春はストロベリーなど四季を感じさせるテーマを掲げ、内容は毎年変わるという。予約は新メニューが登場する約2カ月前から受け付けている。

「アフタヌーンティーを取材するなら、ここははずせません」と、その道に詳しい知人に薦められたのが、東京・目黒の「スリーティアーズ」。築85年の洋館で正統派英国式のアフタヌーンティーが楽しめるという。

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