◆5位 MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信<1550>

価格/3650円 売買単位/10口 信託報酬/0.165% 分配金利回り/1.40%

→日本を除く先進国株に投資できる。できるだけ広い地域に投資したいが新興国の株は避けたい人に。新興国株が入っていない分、米国株の比率が約70%と高め。その点を好んで買う人も多い。

◆4位 iシェアーズ・コア MSCI 先進国株(除く日本)ETF<1657>

価格/3290円 売買単位/1口 信託報酬/0.209% 分配金利回り/1.24%

→5位の「MAXIS 海外株式」と同じく日本以外の先進国株に投資できる。こちらは信託報酬が先進国株のETFにしては高めだが、1口3000円台前半で買える手軽さがいい。毎月こまめに買い増せる水準だろう。

◆3位 MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信<2559>

価格/1万3675円 売買単位/1口 信託報酬/0.0858% 分配金利回り/1.41%

→先進国と新興国で合計47カ国の株に分散投資できる。「オルカン」という愛称で呼ばれ、人気上昇中。国別の比率は米国株が60%弱、続いて日本株約5%、英国株3%半ば。米国株一辺倒の投資を懸念する層に支持されている。

◆2位 iシェアーズ S&P500 米国株 ETF<1655>

価格/382.4円 売買単位/10口 信託報酬/0.0825% 分配金利回り/0.71%

→米国の人気指数、S&P500に連動。米国の中でもメジャーな500社の株に投資ができる。メインで投資したいETFの一つだ。価格382.4円×10口単位、つまり4000円弱から買えて、信託報酬も安い。

◆1位 MAXIS米国株式(S&P500)上場投信<2558>

価格/1万5230円 売買単位/1口 信託報酬/0.077% 分配金利回り/0.87%

→2位の「iシェアーズS&P500」と同じくS&P500採用の500社を丸ごと買えるが、信託報酬はこちらが安い。分配金利回りが一般的な米国ETFに比べて低めなのは、新規の資金流入が続いている影響(難しい言葉だが「分配金の希薄化」という現象が起きている)。ゆくゆくは本来の水準に近づく方向なので、心配せずに長期保有を。

 以上、11本の東証ETFを紹介したが、トップ2は、やはり「米国株式(S&P500)」を選んだ。理由は、米国が経済や最先端技術の面で覇権を握っているからだ。最強の国の中で厳選された、いわば<超エリートの500社>をまとめて買えるのは、ありがたい。

 S&P500採用の500社は年に4回、見直されることになっている。いったん採用されたらずっと……というわけではなく、経営不振になれば振り落とされる。甘さは無い。既得権益じみたものも、忖度もない。そこがいい。

 極端かもしれないが、S&P500のETF1本だけでも十分な分散投資ができる。値上がりを期待しながらコツコツ買い増してみよう。現在の分配金利回りは低くても問題ない。安値で買っていくことで「自分の買値に対する分配金利回り」は上がっていくケースが多いからだ。

 なお、今回は日本株の東証ETFをあえて除外した。お金を増やすなら、米国株や海外の資産に重点を置いたほうがいいと考えているからだ。

 円で給与をもらい、円で貯金をしているなら、投資ではドルベースの資産に分散したほうがバランスはいい。インフレ対策にもなり、一石二鳥である。

◎桶井 道(おけいどん)/関西在住。47歳で資産1億円とともに約25年勤務した会社を退職、アーリーリタイアを達成。国内外の高配当株および増配株、米国ETFを駆使して資産運用を行う個人投資家(投資歴20年以上)。「60歳で株とETFからの配当金(分配金)年間240万円、資産目標2億円」を公言。ブロガーでもある

(文・桶井 道、編集・中島晶子)

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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