つかみのヒント(AERA2022年7月18-25日合併号より)
つかみのヒント(AERA2022年7月18-25日合併号より)

 本当は丁寧にじっくりと、自分の心身の健康や資産管理、スキルアップや子育てにじっくり向き合いたい。ただ、毎日2、3時間を費やすのは、忙しい現代人には難しい。それならば「15分」。1日15分の捻出で、人生が劇的に変わるのだ。AERA 2022年7月18-25日合併号から、15分でできる「子どもとのコミュニケーション術」を紹介する。

【図表】「ちゃんとしなさい」「お兄ちゃんでしょ」子育てNGワードはこう言いかえよう!

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 毎日、子どもを寝かせるというゴールに向かってノンストップ。「今日も、全然向き合ってあげられなかった……」と、うしろめたい気持ちでいっぱいになっている親は多いはずだ。

 こんな日々でも「15分」を上手に使えば、子どもとのコミュニケーションをグンと深く、濃いものにできる。

「小学生くらいなら、集中力をキープできるのが15分くらいといわれています。親子にとって、15分はとても効率のいい時間なんです」

 こう話すのは、「絵本のある親子のまなびや チエノワ」を主宰する植木恭世さんだ。

「私も平日は帰りが遅く、子どもたちとしっかり向き合えるのはせいぜい15~数十分。4月から塾に通い始めた小4の息子とは、その時間を勉強の進捗の確認を兼ねた“雑談タイム”として活用しています。勉強から学校、友達の話まで、ひと通りおしゃべりを楽しむにも、15分くらいはちょうどいいんです」

 絵本の講師も務める植木さんは、小さな子ども向けに読み聞かせもすすめる。

「絵本は、長くても1冊せいぜい5分で読み終わるし、満足感も高い。15分あれば、何冊も楽しめます。字が読めるようなら、子どもに読んでもらうのもおもしろいですよ」

 15分の親子コミュニケーションは、「親が『聞き役』にまわることで、より豊かなものになります」と話すのは、家庭学習コンサルタントの坂本七郎さんだ。

「子どもは、基本的に話したい、教えたいという気持ちをもっています。その気持ちを聞くことで子どもが満たされるし、親も子どもの現状を把握できます」

 話のきっかけは「最近、学校はどう?」といった表面的な質問よりも、しぼりこんだほうが盛り上がる。

「子どもが詳しいことを教えてもらうと会話が弾みます。私も、中1の息子から人気のゲーム実況者の話を聞いたり、小5の娘からBTSのおすすめの曲を教えてもらったりしています」

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