石田勝紀(いしだ・かつのり)/教育家。親の勉強会を主宰。『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』(主婦の友社)ほか著書多数(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
石田勝紀(いしだ・かつのり)/教育家。親の勉強会を主宰。『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』(主婦の友社)ほか著書多数(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
 夏休み期間中、動画やゲームに時間を費やす子どもは多いだろう。我が子のゲーム・スマホ依存を防ぐためには、どのように対策すればいいのか。教育デザインラボ代表理事の石田勝紀さんに聞いた。AERA 2022年7月11日号の記事を紹介する。

【夏休みの動画・ゲームの付き合い方 3つのポイントはこちら】

*  *  *

 動画やゲーム、スマホとの付き合い方について、非常に多くの親御さんから相談を受けます。よくあるのが、夏休みに親は仕事で不在で、子どもだけで留守番するケース。わが子がちゃんと動画やゲーム、スマホの使用時間を守れるのかと心配になりますし、時間を超過した形跡があれば、叱りたくもなります。

 でも、子どもの気持ちにもなってみてください。「動画もダメ、ゲームもスマホもダメ。じゃあ何すればいいの?」と思うわけです。それに、手持ち無沙汰になると、大人もついスマホをさわっていませんか? 子どもも同様かもしれません。

 対策として、「夏休み専用のルール作り」をしておくことが大事です。学校がある日は「1日1時間まで」「やることが終われば自由」などルールを決めているご家庭も多いと思いますが、夏休みは通常運転とは異なります。「勉強が終われば自由」だと、何時間でも見られてしまう。夏休み専用のルールを作ったら、紙やホワイトボードなどに書き出し、目に入るようにします。

AERA 2022年7月11日号より
AERA 2022年7月11日号より
 ルール作りのポイントは「子どもの許可を得る」こと。親が一方的に「夏休み中は1日2時間まで」と決めたところで、子どもは守りません。「2学期が始まったときに疲れないように夏休みのルールを作ったほうがいいと思うけど、どうする?」など、まずは子どもの考えを聞いてみましょう。ルールは見直し可能ととらえ、1週間ごとに親子で相談しながら更新します。

 次に対策として有効なのが「画面を見る以外にやることを用意しておく」こと。強制的に画面から離れる時間を作ります。例えば、友達と図書館に行く、イベントに参加するなど。子どもと一緒に、子ども自身が参加したいものを探してみましょう。短期の水泳教室など習い事をするのも一つの手。子どもの自信につながります。

 なかには「うちの子、ゲーム依存なのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、実際に依存というよりも、「親がコントロールできない」状態からそう思われることが多いように感じます。不安なら、WHO(世界保健機関)が定める基準と照らし合わせ、昼夜逆転の生活になっているなどあれば専門医に相談したほうがいいでしょう。(構成・小林佳世)

AERA 2022年7月11日号