BTS
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 BTSが6月14日にアップしたYouTubeチャンネルでグループ活動を控え、個人活動に集中することを発表。AERA2022年6月27日号では決断に至った経緯について、動画の中で語られた彼らの言葉を掲載する。

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RM:10周年ではなく、なぜ9周年でアンソロジーアルバム(6月10日発売の「Proof」)を出したのか。実は僕たちの中では「シーズン1」は(2020年リリースの)「ON」までだった。「ON」の後、本来は大規模なワールドツアーを回ろうと計画もしていた状態だったが、「ON」の活動をする中で新型コロナウイルスが発生し、何カ月かとてもつらい日々を過ごした。その中で、チャートや話題性としても確実なインパクトを一度出してみようと突破口にしたのが「Dynamite」と「Butter」「Life Goes On」だった。

SUGA:グラミー賞のノミネートまで行って、もう一度また挑戦してみたけどダメで。その過程で正直うんざりしたことも多かった。

■チームが変わった

JIN:完璧なプランを準備して、合わせていくのでもなく、状況によってそのたび変わっていかなければいけなかったから。

SUGA:9年間、プラン通りに行ったことはない。欲を出したらかなったことの方がずっと多い。

RM:世の中に何かを伝えたくて音楽とBTSを始めたけど、正直なところ、「ON」の次から、どうすればいいかわからなかった。コロナを理由にして、「Dynamite」「Butter」「Permission(to Dance)」とやりながら、確実にチームが変わった。「ON」「Dynamite」まではチームが僕たちの手のひらの上にあると感じていたけど、「Butter」「Permission」と、僕は僕たちのチームがどんなチームなのかわからなくなった。僕は歌詞を主に書いていて、どんなメッセージを伝えるのかが重要で、それが僕の生きている意味だったけど、それがなくなった感じがした。何を話していいかもわからないし。BTSは他のチームとは違うと思ってきたけど、K-POPもそうだし、アイドルシステム自体が、人を成熟させてはくれない。ずっと何か撮らなくてはいけなくて、何かしていなくてはいけなくて。朝家を出て、メイクして、何かをしている。成長する時間がない。

 10年の間に僕は人間としてたくさん変わった。いろんなことを考えて、一人の時間を過ごしたあと、それを成熟させて表に出していくべきだが、10年BTSをやってきて、物理的なスケジュールをこなしながらでは、難しくなった。

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