昨年リリースした「Butter」は、公開24時間で1億820万回も再生されるなど、世界的に大ヒットした(gettyimages)
昨年リリースした「Butter」は、公開24時間で1億820万回も再生されるなど、世界的に大ヒットした(gettyimages)

 BTSが、グループでの活動を暫定的に控え、個人活動に集中すると発表した。絶頂期とも言えるタイミングでの決断の背景には何があったのか。AERA2022年6月27日号の記事を紹介する。

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 6月14日午後9時、BTSのYouTubeチャンネル「BANGTANTV」に最新動画がアップされた。撮影が行われたのは、米バイデン大統領との会談を控えたある日、かつて7人が共同生活を送っていた宿舎だ。お酒を手に、グループ活動を暫定的に控え、今後は個人活動に集中していくことを発表。約1時間、そこに至るまでの感情の動きを本音で語りあった。

■立ち止まり考えたい

 決断の理由として挙げられたのは、「グループのアイデンティティーの喪失への不安」「超多忙な生活によるアーティストとしての語る言葉の枯渇」「個人の人生、ソロ活動への欲心」だ。

「(2020年発売の)『ON』『Dynamite(ダイナマイト)』前までは、チームが僕たちの手のひらの上にあると感じていたが、その後、僕は僕たちのチームがどんなチームなのかわからなくなった。方向性を失っている今、一度立ち止まり考え、また戻ってきたいとずっと思っていた」(RM)

「7~8年前は、伝えたい言葉があるのにスキルが足らず、どうにか絞り出していたが、今は何を話せばいいのかわからず絞り出している」(SUGA)

「これまでもやりたいことが多かったが、いつの日かそれを考えること自体がいけないことだと思うようになってしまった。これからは自分を見せられる機会があるのならば、『V』以外の姿をたくさん見せたい」(V)

■兵役色薄める狙いも?

 記者会見や、文書ではなく、あえて“宿舎でのほろ酔いトーク”を選んだのには、今回の発表を「大ごとにしたくない」という彼らの思いを感じる。

 事実、このニュースが世界に発信された15日には、所属事務所の株価が一時28%も下落した。「活動休止」なのか「ソロ活動に集中」なのか、情報が錯綜し、世界中のメディアが混乱に陥った。

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