AERA 2022年6月20日号より
AERA 2022年6月20日号より

 いつどこで巨大地震が発生するかわからない。災害時に備えて何を持ち歩くべきなのか。通勤などで移動の多いビジネスパーソンだからこそ、知っておきたいことがある。八つの必携品を専門家に聞いた。AERA 2022年6月20日号から。

【災害時に役立つ8品はこちら】

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 発災時の居場所によっては、水や食料が手に入らず、一時滞在施設も近くにない場合もあるだろう。防災に詳しいNPO法人プラス・アーツ(兵庫県)の永田宏和理事長(53)さんに、日ごろから携行すべき品を教えてもらった。

 水やシリアルバー、電池式モバイルバッテリーは、日用品としてだけでなく災害時にも重宝する。かばんの中の定位置に常備して、消費するたびに補充しておけば、わざわざ防災用として準備する必要はない。

 非常用として持っておいたほうがいいものは何か。一つは、エマージェンシーブランケットだ。毛布がわりに使えて寒さをしのげ、風雨よけにもなる。

 もう一つは携帯トイレ。トイレが使えないケースに備えて、最低1個持っておきたい。

 ちなみに、エマージェンシーブランケットは、携帯トイレで用を足す時の目隠しにも使える。

AERA 2022年6月20日号より
AERA 2022年6月20日号より

「この2点は絶対に持っておいたほうがいい。小さなものを選べば、ポケットティッシュ3個分くらいに収まる。常備しても負担にはならないはずです」(永田さん)

 あると便利なのは、次の三つだ。50センチ四方の大判ハンカチは複数用途に使える。口と鼻を覆って巻けばマスクにもなるし、止血帯や包帯の代わりにもなる。口腔ケア用ウェットティッシュは手指の除菌にも使える。ヘッドライトがあれば両手がフリーになる。

 ところで、お金はどうすべきか。キャッシュレスが普及したいま、システムがダウンしたり、ATMが使えなくなったりするケースを想定して、現金を用意しておくべきだろうか?

「ここに挙げたものがあれば、最低限はしのげるはずですから、何かを買い足す必要は特にないと思います。ただ、被災時の不測の事態に備えて、念のため2千円くらいの現金を持っておくとよいと思います」(永田さん)

(編集部・藤井直樹)

AERA 2022年6月20日号より抜粋