エンゼルスの大谷翔平は5月、大リーグ通算100本塁打や日米通算150本塁打をマーク。今季は31日現在で打率2割4分9厘、11本塁打、32打点、7盗塁(photo Orange County Register via Getty Images)
エンゼルスの大谷翔平は5月、大リーグ通算100本塁打や日米通算150本塁打をマーク。今季は31日現在で打率2割4分9厘、11本塁打、32打点、7盗塁(photo Orange County Register via Getty Images)

 大リーグ・エンゼルスの大谷翔平が2年連続で2桁本塁打を放つなど好調だ。投手としても高い奪三振率をマーク。肉体改造で進化した「鉄人」ぶりを発揮している。AERA2022年6月13日号の記事を紹介する。

【写真】投打の「二刀流」で活躍する大谷

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 エンゼルス・大谷翔平(27)が新たなステージに入っている。

 5月29日のブルージェイズ戦。「2番・指名打者」で先発出場すると、初回に2桁勝利を4度マークした実績を持つ右腕ホセ・ベリオス(28)のカーブを右中間スタンドに運ぶ先制の10号ソロ。6試合ぶりのアーチを放つと、4点差を追いかける三回無死一塁でも150キロの直球をバックスクリーンに打ち込む、2打席連続本塁打となる11号2ランを放った。

 チームは敗れたが、大谷は大リーグで自身4度目の2桁本塁打に到達。日曜日は3週連続となる一発に、米国メディア「フォックス・スポーツ」のベン・バーランダー氏は自身のツイッターで、「大谷翔平の日曜日は続く!!! 立て続けに本塁打を放った。無敵のMVP(最優秀選手)だ!!」とたたえた。

 昨季は打者で打率2割5分7厘、46本塁打、100打点、26盗塁をマーク。日本人初の本塁打王には届かなかったが、大リーグ史上6人目の「45本塁打&25盗塁」を記録した。相手バッテリーも当然研究してくる。それは今年に限った話ではない。昨年、前半戦84試合で33本塁打をマーク。ところが、後半戦は外角一辺倒の配球に対して強引に引っ張る内野ゴロが目立ち、71試合で13本塁打とペースが大きく落ちた。

■コースに逆らわない

 今季は49試合で11本塁打(記録はいずれも5月31日現在)。ヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)が18本塁打と量産している。だが、米国在住の通信員はこう分析する。

「大谷は上々の滑り出しと言えるでしょう。今年はコースに逆らわず広角に本塁打を打てている。昨年はマイク・トラウト(30)、アンソニー・レンドン(32)と主軸が戦線離脱してまともに勝負してもらえないケースが後半戦に目立ったが、今年は打線全体が活発で得点力もあるので相手バッテリーも大谷と勝負せざるを得ない。これから本塁打のペースが上がる可能性は十分に期待できます」

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