投資顧問アドバイザーのたぱぞうさんは、象のイラストをアイコンにツイッターやYouTube、ブログなどで投資情報を発信(象のイラスト/本人提供)
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「ETF」をご存じだろうか?

【注目】<投資信託 VS ETF>100万円×10年の運用対決

 日本語では「上場投資信託」。株式市場に上場した投資信託(以下、投信)のことだ。上場した投信と言われても初心者にはわかりづらいので、ここでは通常の投信と比べつつ説明する。

 つみたてNISAなどでも買える「通常の投信」は市場で売り買いされているわけではなく、基準価額(投信の値段)の更新は1日1回だ。

 一方、ETFは株式市場の開いている時間にリアルタイムで売り買いできる。「買いたい!」と思ったとき、その時々の取引価格で買える点が、まず通常の投信と違うところである。

 米国株や不動産への投資で強烈な資産を築いた、たぱぞうさんにETFの基本から教わろう。

「ETFは、いろいろな会社の株をまとめた『株の束』です。取引価格を見ながら機動的に売買したい人にもETFは好まれます。ただ、初心者はゆっくり買って長期保有する形で十分です」

 たとえば「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信」は日本の株式市場で買える。証券コードは2558。名前の通り、米国の株価指数S&P500と同じような値動きをする。

 MAXIS米国株式の中身は、つみたてNISAで人気のインデックス型投信「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と全く同じである。

 ETFも信託報酬(運用コスト)が価格から引かれる。MAXIS米国株式の場合は年0.077%、eMAXIS Slimのほうは年0.0968%(共に税込み)。ETFのほうが安い。

 個別株と同様に売買できるが、個別株と同様に売買手数料もかかる。最近はauカブコム証券、SBI証券、GMOクリック証券、楽天証券で買えば安い、というかタダ。

 この4社は、東証に上場する日本株やETFの約定(やくじょう)金額が1日100万円以下なら無料だ。

「ETFのもう一つの大きな特徴は定期的に分配金が支払われるものが多いことです。株式ETFなら、組み入れられている株式の配当が分配金として投資家に支払われます」

 配当は全額、分配金として出すのがETFの「決まり事」。通常の投信と比べて透明性が高い金融商品なのだ。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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