俺のEC/ポルチーニ茸のクリームソースハンバーグほか/ハンバーグはポルチーニ茸のうま味が溶けたソースをかけて。「渡り蟹と海老のトマトクリームパスタ」など5品が入ったイタリアンセット(6300円)が人気(撮影/写真映像部・高野楓菜)
俺のEC/ポルチーニ茸のクリームソースハンバーグほか/ハンバーグはポルチーニ茸のうま味が溶けたソースをかけて。「渡り蟹と海老のトマトクリームパスタ」など5品が入ったイタリアンセット(6300円)が人気(撮影/写真映像部・高野楓菜)

 冷凍食品なんて手抜きだし、お弁当に入れるものでしょ。そんな発想は二昔も前の話。いまや有名店がこぞって冷食を出し、食卓をグレードアップしてくれます。AERA 2022年5月2-9日合併号より。

【写真】じゅわ~んと肉汁があふれ出す「金格ハンバーグ」

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 経済産業省が今年2月に発表したリポートによると、コロナ禍で落ち込んだ外食と反比例するように増えていったのが冷凍食品の消費だ。冷凍技術の発達でおいしくなったスーパーの冷食ばかりでなく、冷食専門店や通信販売の売り上げが伸びた。そしてレストランが手がける冷食も活況だという。

 確かに営業自粛の影響で、冷食を手がけるようになった飲食店は多い。店の味に限りなく近いレベルで再現できるあの店やこの店のメニューがテイクアウトのほか、宅配便で日本全国どこでも楽しめるようになった。

 なかでも冷凍取り寄せの販売を増やしたのは、知名度は全国区だが、東京都内や一部の地域にしかない飲食店。そのひとつが「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」など、手軽な価格で高級メニューを楽しめることで知られる「俺の」グループだ。

 同社では、コロナ禍に入った直後から、公式オンラインショップ「俺のEC」をスタート。やがてメニューの冷凍通販も加え、初年度から「3億円」もの年商をたたき出した。

「緊急事態宣言などで一時お店に来られなくなった常連さんが購入してくれたのはもちろん、『俺の』は知っているものの、近くにお店がないので一度食べてみたかったと、購入いただいたお客様も多いですね」(常務執行役員の岩崎菜乙美さん)

 さっそくお取り寄せしてみた。イタリアン、フレンチの単品料理から、肉料理、パスタ、グラタンなどのセット。パンやデザートまでメニューも豊富だ。

■お店の味がやってきた

 巣ごもり中のプレゼントにする人が多いほか、ボトルワインの注文もできるので、家族の誕生日などに注文する人も多いという。作り方も簡単。パスタだと生麺を数分ゆでて、湯せんしたソースをかけるだけ。お店で食べるのと遜色ない味わいが、我が家の食卓にやってきた。

「低温調理を済ませ、表面を焼くだけでいいステーキなど、調理の手軽さにもこだわりました。まもなく新コース料理も再販売しますので、ぜひ味わってほしいですね」(同)

 熟成肉のステーキ店や焼き肉店などを運営する格之進グループも、冷凍通販が激減した店の売り上げをカバーしたという。

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