米国に向け出発する小室圭さん、眞子さん。今も世の中の関心は高い=2021年11月14日、羽田空港(撮影/写真映像部・松永卓也)
米国に向け出発する小室圭さん、眞子さん。今も世の中の関心は高い=2021年11月14日、羽田空港(撮影/写真映像部・松永卓也)

 小室圭さんが臨んだ2度目の米・ニューヨーク州の弁護士試験は不合格だった。ネット上にあふれる「バッシング」の背景を独自の視点で読み解く。AERA2022年5月2―9日合併号の記事を紹介する。

【写真】結婚の決意がにじみ出る小室圭さんと眞子さん

*  *  *

 突然だが、4月第2週に終わったNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は久々の傑作だった。「今」がたくさん詰まっていたのだ。その一つが2代目ヒロインるいと夫・錠一郎だった。

 るいが回転焼き屋をし、錠一郎は長く働かなかった。高度成長期、誰もが働き果実を得た時代なのに、だ。いろんな家があって、生き方はいろいろ。そういう「今」を示す2人だった。

 さて、ここからが本題。秋篠宮家の長女小室眞子さんの夫・圭さんが、米・ニューヨーク州の弁護士試験に落ちた。2度目だった。4月14日(現地時間)に公表された合格者リストに名前がなく、圭さん自身が日本の関係者に「7月に再挑戦する」と明かしたという。

 いろんな家があって、生き方はいろいろ。るいと錠一郎も、小室夫妻も。朝ドラ愛好家としては「以上、終わり」だが、もう少し続ける。まずは2019年2月に発行された『皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。』。

 政治学者の原武史さんと作家の三浦しをんさんの対談集で、楽しく深い名著だとアエラで以前にも紹介した。今はこう思っている。この本、名著どころか、“予言の書”である、と。三浦さんはこう言っていた。

■予言されていた現状

<私は眞子さん結婚問題にも興味津々です。あの騒動で一番思うのは、なぜ男性の職業や稼ぎだけが問題になるのか、ということです。(略)「ふさわしいお相手」とは、血筋も家柄もよくきちんとしたところにお勤めの人である、ということになってしまって、それって時代遅れじゃありませんか? 「売れないロックミュージシャンと結婚したい内親王」とかが出てきたら、どうするんでしょうか>

 18年8月、圭さんが留学のために米国へ向かった3週間後の対談だった。それから3年8カ月。圭さん、「ローヤーの卵」のまま。売れている、とは言い難い。そう、予言その1。

著者プロフィールを見る
矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

矢部万紀子の記事一覧はこちら
次のページ