カブスの鈴木誠也は12日のパイレーツ戦の五回、2試合連続本塁打を放ち、チームメートに祝福される(写真:MLB Photos via Getty Images)
カブスの鈴木誠也は12日のパイレーツ戦の五回、2試合連続本塁打を放ち、チームメートに祝福される(写真:MLB Photos via Getty Images)

 大リーグでの活躍が注目される日本人選手として、大谷翔平選手と同い年のカブス・鈴木誠也選手も見逃せない。渡米1年目の鈴木選手は本塁打を連発し、早くも注目を集めている。AERA 2022年4月25日号の記事から紹介する。

【図】2013年からこれまでの鈴木誠也の成績はこちら

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 広島からポスティングシステムを利用してカブスに移籍した鈴木誠也(27)は、早くもアーチを連発している。

 開幕シリーズとなった10日のブルワーズ戦に「5番・右翼」でスタメン出場すると、初回2死一、二塁の好機でスライダーを左中間スタンドに運ぶ先制3ラン。カブス専門のスポーツサイト「ブリーチャー・ネーション」はツイッターで、「セイヤ・スズキが初のホームランを跡形もなく飛ばした!」と興奮気味に伝えた。

 12日のパイレーツ戦でも五回に右中間へ2試合連続本塁打となる2号ソロを放ち、七回には2打席連続アーチとなる3号左越えソロ。この2打点でチームは2-1で勝利した。17日のロッキーズ戦では今季4号を放ち、開幕から8試合連続安打と活躍を続けている。

 大リーグ挑戦1年目。異国の地で調整期間が十分にあったわけではない。現地時間の昨年12月1日限りで大リーグの労使協定が失効し、ロックアウトに突入。移籍交渉は3カ月以上凍結した。カブスに入団が決まったのは3月18日。開幕戦まで1カ月もなかったが、対応能力の高さを発揮した。

AERA 2022年4月25日号より
AERA 2022年4月25日号より

「英語が満足に話せるわけではないが、明るい性格でチームメートの輪に溶け込んですっかり気に入られている。NPB(日本野球機構)とのストライクゾーンの違い、ボールをミートした際の打感の違いなどはあるが、開幕3連戦を見る限り自分の間できっちりスイングができています。鈴木は長打が打てるだけでなく、広島で2度首位打者を獲得するなどミート能力も高い。初対戦の投手にもうまくアジャストできるのが強みです。もちろん戸惑うこともあると思いますが、試合を重ねることで本領を発揮するのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)

 大谷と鈴木は同学年で互いの実力を認め合う仲だ。切磋琢磨(せっさたくま)しながらどんな活躍を見せてくれるか、楽しみだ。(ライター・牧忠則)

AERA 2022年4月25日号に一部加筆