エンゼルスの大谷翔平は、今年も投打の「二刀流」での活躍が期待されている(写真:MLB Photos via Getty Images)
エンゼルスの大谷翔平は、今年も投打の「二刀流」での活躍が期待されている(写真:MLB Photos via Getty Images)

 昨季は投手として9勝、打者として46本塁打の大活躍を見せたエンゼルスの大谷翔平選手。今季は「大谷ルール」の導入でさらなる飛躍が期待される。AERA 2022年4月25日号の記事から紹介する。

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 大リーグが4月に開幕し、昨季投打にわたる大活躍でアメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)に満票で選出されたエンゼルス・大谷翔平(27)が早速、歴史的な日を作った。チーム開幕戦となる7日のアストロズ戦で、1901年の2リーグ制以降では初となる「開幕投手の1番打者」で出場。敗戦投手となったが、五回途中まで被安打4、9奪三振、1失点と好投した。直球は最速161キロを計測し、スプリット、スライダーの制球も良く十分に合格点をつけられる内容だった。打撃でも15日のレンジャーズ戦で今季1号を含む2本塁打、16日のレンジャーズ戦では2試合連続アーチとなる今季3号を放つなど調子を上げている。

■通称「大谷ルール」導入

 今季から、投手でスタメンに名を連ねた選手が降板後には指名打者(DH)として試合出場を続けられる新ルールが導入された。大谷は降板後も「1番・DH」で試合に出続けた。通称「大谷ルール」と呼ばれ、昨年7月のオールスターでも適用されている。

 米国のアマチュア球界では大谷の影響を受け、投手と野手の「二刀流」でのプレーを希望する選手たちが急激に増えているという。野球人気が低下しているなか、昨季ブレークした大谷が新たな道を切り開いたことは大きな意味がある。

 この新ルールの導入で、大谷は打席数が50打席前後増える見込みだ。

 昨季は打率2割5分7厘、46本塁打、100打点、26盗塁をマーク。熾烈(しれつ)な本塁打王争いを繰り広げたが、ブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ(23)、ロイヤルズのサルバドール・ペレス(31)の48本塁打に及ばなかった。ゲレロが698打席、ペレスが665打席だったのに対し、大谷は639打席。投手で登板した際は降板とともに試合から退いたため、常時野手で出場する選手たちに比べて打席数が少なくなっていた。

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