※写真はイメージ(gettyimages)
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 職場での良好な人間関係づくりには、コミュニケーションが欠かせない。だが、良かれと思い放った言葉が逆効果になることもあるだけに、慎重な言葉選びが求められる。AERA 2022年4月11日号は、身に付けたい「話し方」のコツを紹介する。

【図】コツは1分で伝えること。うまく話すための仕組みとは?

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 職場で良好な人間関係を築くためには、言葉選びも重要だ。

『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』の著者でカウンセラーの大野萌子さんの元には、職場関係の相談が日々寄せられる。多くの人が悩むのが、「悪気はないのに、ちょっとした一言で相手を不機嫌にさせてしまう」というもの。

「言葉は使い方を一歩間違えると人間関係にひびを入れたり、相手のやる気をそいだりする原因になります。自分と相手のパフォーマンスを上げるポジティブな言い方を身につける必要があります」(大野さん)

 職場で避けるべきNGワードと言い換えワードを集めた。意外なことに上司が部下を褒める時の決まり文句である「いいね」はNGワードの筆頭だ。「いいね」だけでは褒められた側はどこが良かったのかわからず、適当にあしらわれているように感じ、モチベーションが下がりかねないという。

「たとえば、『レイアウトがいいね』のように具体的に褒めることです。「何でも聞いて」も代表的なNGワードで、言われたほうはむしろ何も聞けなくなる。『〇〇でわからないことがあれば聞いて』などと焦点を定めてあげることが大切です」

 また、初対面で「どちらにお住まいですか?」「出身校はどちらですか?」のような質問をするのもタブー。警戒心を刺激し、不信感を招く危険性が高い。どうしても聞きたいなら、「お近くですか?」「学生時代は何を学ばれていたんですか?」程度にとどめておこう。

「相手と適度な距離感を保ち、誰が聞いてもわかる具体的な言葉を使うことが大切です。ビジネスの場面では以心伝心はなく、『察してくれ』も通用しません。明確な言葉を使うことが行き違いを防ぎ、相手任せにしないことにつながります」

(編集部・藤井直樹)

AERA 2022年4月11日号より抜粋