「西安麺荘 秦唐記」オーナーの小川克実さん。ビャンビャン麺は小川さんにとって、中国の食文化を伝える大切な料理(photo 横関一浩)
「西安麺荘 秦唐記」オーナーの小川克実さん。ビャンビャン麺は小川さんにとって、中国の食文化を伝える大切な料理(photo 横関一浩)

 麺のおいしさも去ることながらインパクトのある名前と漢字の画数の多さで話題のビャンビャン麺。各企業もこぞって商品化に乗り出している。AERA 2022年4月4日号の記事を紹介する。

【写真】カルディで買える乾麺タイプと日清食品の冷凍タイプの「ビャンビャン麺」はこちら

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 目新しい海外の料理があれば、貪欲に取り入れてきた日本。人気を放っておくはずがない。セブン-イレブン・ジャパンの一部店舗で販売されたり、バーミヤンがメニューに加えたりと、裾野が広がっている。

 カルディコーヒーファームは、乾麺タイプにオイスターエキスと花椒オイルの別添えスープを組み合わせた「オリジナル ビャンビャン麺 花椒オイスター味」を発売。たちまち品切れになり、次回入荷が4月予定になるほどの人気だ。

「昨年5月に『オリジナル ビャンビャン麺』を発売したところ、店舗スタッフから熱烈な反響がありました。お客様にも好評で、瞬く間に完売したので、その声に応えて作ったのが、花椒オイスター味です」(キャメル珈琲担当者)

 麺の形状の目新しさに加え、ビャンの漢字の複雑さに一目ぼれし、「家庭でも楽しめるように」と商品化したそうだ。

 日清食品冷凍は、3月1日に「冷凍 日清中華 ビャンビャン麺」を新発売した。幅広の麺とひき肉などの具がワンパックに冷凍された具付き麺で、電子レンジで加熱し、別添えの「特製花椒香油」をかけて食べる。

「商品化には、冷凍の汁なし麺ジャンルの売り上げが伸びている背景があります。これまで汁なし担々麺やジャージャー麺など、ソースや具に特長のある冷凍麺を発売してきました。ラーメンやうどんが主力の“麺屋”メーカーとして、“麺”に特長のある新しい価値軸の商品を作りたいと考えたとき、目を向けたのが、ビャンビャン麺でした」(マーケティング部プロダクトマネージャー・三島健悟さん)

 見た目はきしめんに似ているが、三島さんは「ビャンビャン麺には、もっと団子のような重たい食感がある」と話す。冷凍麺に求められるもっちり感とのバランスも研究し、専門店のような食べ応えに近づけたという。

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