高木ブー、関口和之ら錚々たるミュージシャンが集結したスペシャルウクレレバンド「1933ウクレレオールスターズ」が、3月20日、ライブを開催する。AERA3月28日号では、二人に結成「秘話」を聞いた。

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 1933ウクレレオールスターズが結成されるまでには、構想24年もの歳月があった。

関口:1994年にザ・ウクレレ・オーケストラ・オブ・グレート・ブリテンの来日公演を観に行った際にゲストで出演されていたブーさんと名刺交換をして、後日家の留守電に「高木ブーで~す」とメッセージが入っていました(笑)。いたずらかと思ったんですが、連絡したらご本人だった。そこで「オーケストラみたいなウクレレのバンドがやりたい」とご提案をいただきました。

高木:ウクレレ・オーケストラのライブを目の前で観てうらやましくなっちゃったんだよね。

関口:ただ、僕にとってブーさんは雲の上の方。もちろんザ・ドリフターズも偉大な存在ですが、ウクレレの世界で言っても15歳からウクレレをやられている。おそれ多かったのと、当時はまだ日本ではウクレレ自体が全然浸透していなかったので、まずはウクレレの普及活動をした後にブーさんとご一緒したいという気持ちがありました。その後、ブーさんに僕のライブに出演していただいたり、家族ぐるみのお付き合いをさせていただくようになった。2018年にハワイで行った「ウクレレピクニック」の10周年イベントに一緒に出ることになって、「いろんな人と一緒にやったら面白そうだし、ブーさんが言ってたオーケストラみたいなバンドが作れるんじゃないかな」と思ったんです。

■気軽に演奏できる

高木:関口さんはなんでウクレレを始めたの?

関口:ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」という映画の劇中に主人公のミア・ファローがウクレレを弾くシーンが少しだけあるんですね。それを観てかわいいなと思ったのと、「簡単に弾けそうだな」と思ったのが始まりでした。べースって、「なにかちょっと弾いてよ」って言われてもアンサンブルの楽器なんで困っちゃう。でもウクレレはひとりで気軽に演奏できる。

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