エッセイスト 小島慶子
エッセイスト 小島慶子

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 3月8日は「国際女性デー」でした。日本でも広く認知されるようになりましたよね。私もこの時期には、取材やイベントなどでジェンダー平等や女性の健康に関して発言する機会が増えます。その時に心がけていることがあります。これは人権の問題だということを念頭に置いて伝えることです。「女性差別をなくそう」という思いが芯にあるからこそ、ポジティブなメッセージは力を持ちます。

 日本のジェンダー格差は深刻です。他国と比べても、女性として生きていくには非常にハードルの高い社会であることは多くのデータで示されています。この時期にはそれを改めて伝える記事もたくさん出ますよね。SNSや街で声を上げる人たちもいます。女性が置かれている状況について周知の機会が増えるのはとても大事なこと。ここ数年で、ジェンダー平等について語る場も増えました。その一端を担っているのは、メディアで働く女性たちです。

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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