AERA3月7日号より
AERA3月7日号より

 20代はやはり孤独感が圧倒的に高い。ただ、2回目の調査では改善傾向が見られた。調査を行った同研究所研究副部長の村山洋史さんはこう話す。

「調査した時期の社会状況を比べると、たとえば大学生で言えば対面授業やサークル活動が少しずつではあるけれど戻ってきた。孤独感を低めた原因かと思います。SNSを使いこなして繋(つな)がることを含めて、上の世代よりも適応できた面もあるでしょう。ただ、孤独感が高いことに変わりはありません」

 この孤独感について、明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖さんは、20代前半に特有のある心理的特徴を指摘する。

「人がアイデンティティーを確立するのは、個人差はありますが20代前半くらい。その中で、『人と自分を比べてしまう』ということが起きるんです。孤独だと思った時にSNSなどで日々充実してそうな人を見ると『やっぱり自分は孤立してるのでは』と。20代前半が孤独感を強めやすい一つの要因です」

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2022年3月7日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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