カミラ夫人と不仲だとされるメーガンさんは、渡英した際にどうあいさつするか注目される(photo Getty Images)
カミラ夫人と不仲だとされるメーガンさんは、渡英した際にどうあいさつするか注目される(photo Getty Images)

 エリザベス英女王の「カミラ夫人を王妃にしてほしい」という発言を受け、チャールズ皇太子の前妻・故ダイアナ妃を慕う多くの英国民が戸惑いの渦中にある。女王の発言を受けヘンリー王子、そしてカミラ夫人と不仲だとされるメーガンさんはどう振る舞うのだろうか。AERA2022年3月7日号の記事を紹介する。

【写真】メーガンさんに「生意気娘、出しゃばり娘」とニックネームをつけたカミラ夫人

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 注目されたのが、ヘンリー王子(37)の動向だった。12歳で最愛の母を失った王子はなんとコメントするだろう。しかし、米国からはなんの音沙汰もなかった。これを国民は「サセックス・サイレンス(サセックス公爵の沈黙)」と呼んで待った。

 やがて、やっとヘンリー王子は口を開いた。しかしカミラ夫人についての言及はなく、エイズ患者支援に取り組みたいという意思表明だった。それはダイアナ妃が生前に力を入れた活動だ。当時、エイズは不治の病とされ、患者に触れただけでもうつると恐れられた。しかし、ダイアナ妃は素手で患者と握手して、楽しげに話し込んだ。その姿は世界に配信され、エイズへの偏見を取り払う力を持った。ヘンリー王子はカミラ夫人には一言も触れず、ただ母をたたえたのだった。

 王子は暴露本を年内に出版する予定だ。カミラ夫人がいかに両親の結婚を壊したか、また父親がどのように加担したかをつぶさに書き込むつもりだという。

デイリー・メール紙の調査によると、カミラ夫人が王妃になることに55%の人が賛成した(photo Getty Images)
デイリー・メール紙の調査によると、カミラ夫人が王妃になることに55%の人が賛成した(photo Getty Images)

生意気娘、出しゃばり娘

 そんな中、ある王室伝記作家が、ヘンリー王子の妻・メーガンさん(40)にカミラ夫人がつけたニックネームを明らかにした。それはMINX(ミンクス)。「生意気娘、出しゃばり娘」などの訳があるが、ケンブリッジ英英辞典によると、「自分の利益になるようにほかの人を操る方法を知る若い女性」とある。カミラ夫人は、ヘンリー王子からメーガンさんを紹介された時から、「彼女には、なにかたくらみがある」とにらんでいたという。キャリアを犠牲にして英王室に入る、という触れ込みからして気に入らなかった。「感謝の気持ちに欠ける」とみなした。メーガンさんももとよりカミラ夫人に好意は持たず、冷ややかな無関心を続けた。渡英したら、メーガンさんは「クイーン・カミラ」にコーテシー(女性が身分が上の女性に行う、ひざを深く折る丁寧なお辞儀)をするだろうか。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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