「カフ~ん」マスクをつけていると、「それ、なに?」と尋ねられる。「花粉症なんです」と会話を展開できるのもポイント(すももさん提供)
「カフ~ん」マスクをつけていると、「それ、なに?」と尋ねられる。「花粉症なんです」と会話を展開できるのもポイント(すももさん提供)

 オミクロン株による感染第6波が続く中、花粉症シーズンが本格的に到来するこのコロナ禍では、くしゃみや鼻水があると肩身が狭い。そんな花粉症の人のために、コロナではないことをアピールできるマークが一役買う。AERA 2022年2月21日号から。

【写真】花粉症の人は見たくない…?花粉が詰まったスギの写真はこちら

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 路上でくしゃみをしたら、前から歩いてきた人に身をかわされた。しかも、横っ飛びで。

「コロナがうつるんじゃないかと思われたに違いありません」

 そう苦笑するのは、東京都在住の大学生だ。1月上旬にコロナ陽性がわかり、自宅で療養した。その後1週間近くの自主隔離を済ませ、抗原検査キットで陰性を確認して、晴れて外出した初日のことだった。

「自分は結構重度の花粉症なんです。人が集まるところでくしゃみ連発とかしたら、白い目で見られそうですよね」

 花粉症の症状なのか、コロナなのか。オミクロンが猛威を振るうなか、多くの人にとっての関心ごとだろう。

■花粉飛散量が多い

 そしていま、花粉症の人にとってはつらいシーズンが到来している。日本気象協会の発表では、スギ花粉飛散のピークは福岡/高松が2月下旬から3月上旬、広島/大阪/名古屋が3月上旬から中旬、金沢/東京/仙台は3月上旬から下旬だ。

 NPO法人「花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会」理事長で、「コロナ時代の花粉症対策『花粉症デジタルガイド 2022年版』」を同会サイトで公開する日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野の大久保公裕教授によれば、今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の飛散量は昨年、一昨年と比べて多い。

「今年、関東では花粉の累積値が5千~6千個(個/平方センチメートル)、西日本では3千個以上飛散すると予測され、過去10年平均と同等か、それ以上です」(大久保教授)

「私は花粉症です」とさりげなくアピールできるマーク「カフ~ん」を自腹で制作したのは、福岡市在住の画家、すももさん(34)だ。シールになっており、マスクなどに貼って使う。福岡市内の喫茶店や居酒屋で無料配布しているほか、デザインをwebサイトで無料公開している。

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