人気が急上昇しているキャサリン妃。アンドルー王子が務めていたグレナディアガーズの連隊長の就任にも声がかかる(写真:gettyimages)
人気が急上昇しているキャサリン妃。アンドルー王子が務めていたグレナディアガーズの連隊長の就任にも声がかかる(写真:gettyimages)

 英国は今年、エリザベス女王の即位70周年を迎える。英国王室初の記念すべき年に泥を塗りかねないトラブルを抱えている。ヘンリー王子が準備を進める新たな「暴露本」の存在だ。希望の光はキャサリン妃のみ──。AERA 2022年2月14日号から。

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 英王室を悩ませるのが、ヘンリー王子(37)とメーガンさん(40)の夫妻だ。

 チャールズ皇太子(73)は、孫のリリベットちゃん(0)に会いたいと、米国から一時帰国するよう招いた。一家の英国の自邸であるフログモア・コテージは現在、アンドルー王子(61)の次女、ユージェニー王女(31)らが住んでいる。だから皇太子は自邸に宿泊することさえ提案した。

 それは、ヘンリー王子が、今年後半に出版する回顧録の内容を不安視しているからだ。

 王子は、出版社から約21億円の前払い金を受け取ったとされ、「王子としてではなく、一人の人間として書く」と謳(うた)う。皇太子は、カミラ夫人(74)がダイアナ妃(享年36)との結婚を壊した「悪人」として描かれるのを心配する。王子一家の招待は、懐柔策と見られている。

 だが王子は「帰国したくてもできない」と返答した。王子は帰国期間中は王室向けの警備を望んだが、内務省が拒否したのだ。公務を行う王族にのみ警備がつくためで、王室を離脱して米国に住む王子一家に、税金からなる警備はつかないと明快だった。これに納得しない王子は裁判さえ辞さない姿勢だ。

 王子は警備費用は自費でまかなうとまで述べる。それなら、民間の警備会社に依頼すればよいだけのことだ。しかし、詳細は明かされないが、王族専用の警備は民間の警備とは違い、銃の所持が許される場合がある。

 王子はアフガニスタンへの派遣経験があり、タリバン2人を殺害したと口を滑らせたことがあった。そのため今でも命を狙われているという。王室を離れたとはいえ、王位継承順位は6位のまま。そのため安全には気を使ってほしいという。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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