高木美帆らがフィッティングを重ねて完成したレーシングスーツ。スケーティング中の前傾姿勢もサポートするという
高木美帆らがフィッティングを重ねて完成したレーシングスーツ。スケーティング中の前傾姿勢もサポートするという

 平昌冬季五輪に続き、再びのメダルラッシュに期待がかかるスピードスケート女子。選手たちを支える技術も前大会よりも進化し、万全な態勢で臨む。AERA 2022年2月7日号の記事を紹介する。

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 前回の2018年平昌大会では3個の金を含む6個のメダルを獲得したスピードスケート女子。今回の北京五輪にも、日本選手団主将を務める高木美帆(27)=前回団体追い抜き金メダル=や、姉の菜那(29)=同団体追い抜き金メダル、同マススタート金メダル=、小平奈緒(35)=同500メートル金メダル=らがそろい、再びメダルラッシュに沸く期待が高い。 

 選手たちを支える技術も前回大会以上だ。スピードスケートのレーシングスーツを生産するミズノは日本スケート連盟に加え、今回初めて日本スポーツ振興センター(JSC)と共同で開発した。レースの速度に近い風を再現できるJSCの風洞装置を使って約300回実験し、スピードスケートの時速50~70キロの速度域に適したニット素材を選定。生地の配置も一から見直し、前回大会のスーツと比べて空気抵抗を約3%削減した。 

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