ホッケ(出展:web魚図鑑)
ホッケ(出展:web魚図鑑)

 新型コロナウイルスの感染拡大の第6波の拡大によって、多くの都道府県に「まん延防止措置」が発令されました。会社帰りに同僚とちょっと居酒屋で情報交換という訳にもいかなくなってしまいました。

【写真】ホッケの仲間!「鮎女魚」はこちら

 居酒屋には多種多様なメニューが用意されていて、何を注文しようか迷ってなかなか決められないという方も多いのではないでしょうか?

 ちなみに筆者は「とりあえず枝豆」、あとはメニューにあれば「ホッケの干物」か「なめろう」「ししゃも」あたりが定番のような気がします。

 皆さんの定番は何でしょうか?

 その「ホッケの干物」ですが、干物以外のホッケを見たことがある方は、少ないのではないでしょうか?

 ホッケはアイナメ科に属する魚で、日本近海では、主に東北から北海道の沿岸の100メートル程度の深さの海域に生息しています。大きさは最大で60センチ程度と、アイナメの仲間では大型の部類になります。

アイナメ(出展:web魚図鑑)
アイナメ(出展:web魚図鑑)

 非常に傷むのが早い魚ですので、産地以外へは、干物などで出荷するのが一般的でした。近年は冷凍技術の発達によって、産地以外でも干物ではないホッケを入手することができるようになりましたが、まだまだ居酒屋さんで干物以外のホッケを出しているところはほとんどないように思います。

 ホッケの漁獲量は、1998年には年間24万トンを超えていましたが、その後は急激に減少し、2015年から2017年には1.7万トン台と10分の1以下にまでなってしまいました。その後は資源保護の動きもあり、徐々に漁獲量は増えてきていますが、温暖化の影響もあり、かつての漁獲量に戻ることは難しそうです。

 少し前から、居酒屋で食べるホッケの干物の大きさが小さくなったように感じていたのは、こうしたことも影響しているんでしょうか。

 ところで、ホッケという名前の由来をご存じでしょうか?

 ホッケという響きを聴いて「法華経」を連想される方も多いのではないでしょうか。実際、「法華経」を布教するお坊さんが北海道に渡ってきた際に、「これまでに取れなかった魚を取れるようにしてあげるので、その魚をホッケと名付けなさい」といったことに由来すると言われています。

 お坊さんが名付け親のありがたい名前なんですね。

 ちなみにホッケを漢字で書くと「魚へんに花」となります。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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「花」が付く理由は?