※写真はイメージです(GettyImages)
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 NISAやiDeCoで積み立てているから、老後も安心……ちょっと待った。65歳以降の売却プランは? 投信に加えて検討したい金融商品がある。AERA 2022年1月24日号の記事を紹介する。

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 2021年12月24日に発表されたつみたてNISAの最新口座数は472万超。その大半がインデックス投資信託(以下、投信)に毎月定額を積み立てている。インデックス投信とは日経平均株価のような指数とほぼ同じ値動きをする金融商品だ。

 特に人気なのは日経平均のような日本株投信ではなく、S&P500などの米国株投信である。なぜなら日本株より米国株のほうが上昇しているからだ。日経平均のインデックス投信は直近1年で6~7%上昇。対してS&P500のインデックス投信は約40%も上がった。

 年初は調整気味だが、米国株投信で自分の資産が増え、満足している人も多いだろう。ここで問いたい。あなたは投信の「出口(売却のタイミング)」について考えたことがあるか?

 老後の生活費のため、とりあえず投資を始めた。だが肝心の「老後にいつ、現金化するか」は考えていなかった……というのがありがちなパターンだ。何歳で売却するのか。何回かに分けるか、退職時に一括で売るか。そもそも日本人は引き際(売却)の判断が苦手。相場の天井ですべて売れたら万歳だが、素人にそんな神業は無理だ。

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 では分割で引き出すならどうか。少しでも長く有利な運用を続けないと、数千万円程度の資金は意外に早く消える。たとえば65歳から2千万円を年3%で運用しつつ毎月15万円ずつ取り崩していくと、約14年(79歳)でなくなる。平均寿命を考えると、やや不安だろう。

 投信の資産価値は相場により変わる。ここ数年のように右肩上がりならいいが、現実の株式市場はアップダウンが激しく、売りどきの判断は難しい。そこで、投資で大成功している先人の知恵を拝借しよう。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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