竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】大阪の「何でも笑いに変える」精神はこんなところにも…

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 大阪生まれの大阪育ち。そんな私から見ると、大阪では「飾ることなく自分をさらけだし、何でも笑いに変える」人が多いように思います。

 たとえば買い物。大阪人にとって大事なのは「定価よりも安く買うこと」だという人も多い。「これもうちょっと何とか(安く)ならんの」といった価格交渉。その結果の「これ、●円で買うてるんやで、すごいやろ」という値打ち自慢。逆に定価で買った人には「そんなん定価で買ってんのか、アホちゃうか」とか(笑)。買い物一つでも面白おかしくやりとりを笑いに変える。

 そんな習性は、子どもの頃から育まれます。

 スポーツができるよりも勉強ができるよりも、クラスでいちばんの人気者になるのは「面白い子」。おもろい人を何よりもリスペクトする文化がある。

 そのせいか私は大阪の大学を卒業して就職で初めて東京に出たとき、文化の違いに戸惑いました。同期で関西人は1割ほど。そんな中、大阪人の私は何とか目立って仲間を増やさないかんと、体をはって笑いを取りにいったんです。

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竹増貞信

竹増貞信

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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