旭出学園の養護教諭、岡田花恵さん(左)と林美里さん。児童生徒の受診に向け、事前に手順を説明し練習を重ね、受診にも付き添う(撮影/編集部・深澤友紀)
旭出学園の養護教諭、岡田花恵さん(左)と林美里さん。児童生徒の受診に向け、事前に手順を説明し練習を重ね、受診にも付き添う(撮影/編集部・深澤友紀)

『看護師・医療スタッフのための発達障害傾向のある子どもの診療サポートブック』共著者で浜松医科大学准教授の坪見利香さんはこう話す。

「不安や戸惑いから泣いたり暴れたりする子どもを看護師が数人がかりで押さえつけるのは適切な対応ではありません。医療者側は子どもにとって何がつらいのかという特性と過去の診療体験について保護者から情報を収集し、子どもが何を体験するのかできるだけ短く簡単な言葉で伝えてください」

 同書の共著者で、筑波大学准教授の水野智美さんは保護者側の準備も大切だと強調する。

「だまされて医療機関に連れていかれた子どもは、医療機関に嫌な印象をもち、次の受診がさらに大変になります。ホームページを活用して事前に医療機関や医師の写真を見せたり、絵カードで受診内容を事前に伝えておくと、子どもは心づもりができ、不安が軽減されます」(編集部・深澤友紀)

AERA 2022年1月17日号より抜粋