AERA 2022年1月17日号より
AERA 2022年1月17日号より

 また、同報告書は、ワクチンのオミクロン株に対する効果も推計した。ワクチンの種類を問わずに推計した結果、2回接種後2~24週間では入院を防ぐワクチンの効果は72%だったが、25週間後以降は52%になった。3回目のブースター接種から2週間後以降は88%に上がった。ただし、同庁が12月23日に公表した報告書によると、ブースター接種後10週間で効果は15~25%低下するという。

 オミクロン株に対しては、既存の薬の中で効果が低下することが判明したものもある。高齢者ら重症化リスクの高い軽症や中等症・の感染者の重症化を防ぐために抗体カクテル療法で使われていた、「ロナプリーブ」だ。開発した米リジェネロン社がオミクロン株に対して効果が低下すると発表したほか、複数の研究チームから効果の減弱が報告されている。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

AERA 2022年1月17日号より抜粋