竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】店舗の屋上に設置した太陽光パネル

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 皆さんに選ばれるお店、企業とは何でしょうか。魅力のある品ぞろえや働きやすさ──。それらはもちろん大切ですが、今は「地球環境にやさしい」ということも重視されています。ローソンは経営目標の一つとして、2030年の1店舗あたりのCO2排出量を、13年対比50%削減、50年には同100%削減を掲げています。

 それを進めるため、4月から再生可能エネルギーの積極活用に踏み切ります。三菱商事が新設する約500カ所のローソン専用の太陽光発電設備から、関東甲信と東海地区の約3600店に再生可能エネルギーを供給します。店で使う電力の5%をまかなう計算です。その後、他のエリアにも順次拡大し、約8200店に導入する計画です。こうした仕組みをPPA(電力販売契約)と呼びます。太陽光発電を利用したものでは国内最大規模になる見通しです。

店舗の屋上に設置した太陽光パネル。今年はさらに再生可能エネルギーを活用していきます
店舗の屋上に設置した太陽光パネル。今年はさらに再生可能エネルギーを活用していきます


 私たちは小売業なので、どうしても電力を使います。これまでも「省エネ10か条」を定めて節電に努め、省エネ型の要冷機器に変えるなど地道に取り組んできました。一部の店舗では、屋根にソーラーパネルを置いています。

 ですが、どうしても限界があります。どこかで階段をぐーんと上らないと、CO2削減目標は達成できません。再生可能エネルギーは、今はコスト的に厳しい面がありますが、1度使ってみないと、分かりませんからね。

 就職を考える学生さんにとって、企業選びの一つに「地球環境への取り組み」が入っています。また、今の小学生は地球温暖化やSDGsについて学習し、関心も極めて高い。そうした人たちがお客様の“ど真ん中”になってゆく。その時に始めては遅いのです。

 再生可能エネルギーが当たり前の世の中になる。まずは店舗からですが、ローソンは、そのフロントランナーとして走っていきます。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2022年1月17日号

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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