リモートワークの普及で時間に融通が利きやすくなった今、副業を始める絶好のチャンス。ネット時代、稼ぐためには見る側から「発信」する側に回り、ファンを増やすことが大切だ。AERA 2021年12月27日号は、「自分の市場価値を上げる副業」特集。

※写真はイメージ(gettyimages)
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 まずは「月5万円」を目標に自分の好きな分野について発信するのが第一歩。すぐにお金にならずとも、ファンがゼロから数千人、数万人と増えるにつれ、あなたの市場価値は上がっていく。ネットが発達した今は、元手タダでも挑戦できる。

 手軽に始められる中でおすすめは「note」だ。文章、イラスト、映像などを無料配信できるウェブサービスで、ネット構築の専門知識も不要。ファンが増えれば、記事の有料化や定期購読サービスも夢ではない。

 広報担当者によると、noteの会員登録数は2021年3月時点で前年比1.8倍の380万人。1日の平均投稿数は約3万件で、全投稿数のうち有料記事の割合は約2割に達する。

 あなたが投稿したコンテンツを見たファンが「いいな」と思ったら、ファンから自発的に100円から1万円の範囲で応援金を送る仕組みの「サポート機能」がある。自分の発信した記事に100円でもサポートがつけばどんなにうれしいことか!

 慣れてきたら、最初から自分のコンテンツに値段をつけ、有料記事として発表するもよし。

「有料記事の価格帯は500円~1千円が多いようです」

 さらに発展すれば「月額いくら」と自分で値決めした定期購読マガジンを発行することもできる。定期購読のコンテンツはnote社による審査がある。たとえば漫画の定期購読マガジンを発信し、購読者200人超、月14万円ほどの収入を得ている人もいる。

 noteからお金が振り込まれる際は、ファンが決済にクレジットカードを使ったら5%、携帯キャリア決済を使ったら15%の事務手数料がまず差し引かれる。売上金額から事務手数料を引いた金額に対し、プラットフォーム利用料として10~20%が差し引かれる仕組みだ。

 人気が出ると出版社による書籍化もありえる。note社が把握しているだけでも過去に130冊以上の書籍が生まれた。

「まずは『料理のちょっとしたひと手間』『我が家のDIY』など、どんなテーマでもいいので無料で発信してみましょう。先にツイッターやインスタグラムなどに投稿し、反応がいいものをnoteで連載というメディアミックスもありです」

(ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)

AERA 2021年12月27日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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