素肌美人の西原理恵子さん(撮影/写真部・東川哲也)
素肌美人の西原理恵子さん(撮影/写真部・東川哲也)

 伝説の大物投資家によるアドバイスだったので買ってみたが、本格的な値上がり前に全部売ってしまった。

「上がりはじめると、がまんできない。FXで1000万円なくなったときはがまんできたのになぁ」

 掛け金が所得税控除の対象になるiDeCo(個人型確定拠出年金)にも関心を寄せた。税理士に相談したら年40万円ほどの節税効果がある、と。「やったほうがいいのかなと思いつつ、それで仕事が滞るデメリットを考えて、やめました」

■「キラキラした生活」なんて無理ですよ

 自分のペースを大事にする西原さんだが、新型コロナウイルスの感染拡大をどう見ていたのか。

「夜の街から人の姿が消えて、驚きました。飲食店でお酒の提供を控えるだけで、こんなに人の流れが細ってしまうのかと」

 西原さん自身も、お酒を飲まない日が週に2~3日できた。

「35年間、漫画家をやってきました。仕事中は今も昔も座りっぱなしですが、外出が減って、さらに不健康。肝機能の数値も、ついに医者から怒られるぐらいに。一念発起してジムに行きはじめました。酒量も以前より減った」

 西原さんが健康を意識? ジム通い? 失礼ながら、やや驚く。

「今まで、外で朝まで飲んでいることも珍しくありませんでしたが、深酒をしなくなったら午前中に起きられるようになりました。そこで美術館にも行ってみました。キラキラしてる私。おお、これこそ意識高い系の生活……って思ってたら、ある日、吐いちゃった。

 心療内科で薬を出してもらって、キラキラ生活をやめたら、すぐに改善しました(笑)。世間でいう美しい暮らしが、私にはストレスになったようです。そういうライフスタイルが自分に合っていなかったようで」

■50過ぎたらやり逃げが一番

 西原さんは「がんばるな」と言う。

「人生やり逃げ。50歳を過ぎて、いらんことしない。年なんて関係ない、それはそうなんですけど。新しいことへの挑戦は若い人のほうが上手に決まっています。新しいことって難しいもん。年齢とともに逃げるほうへ軸足を移すのが自然でしょ」

 新しいことというと、たとえば?

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