※写真はイメージです(gettyimages)
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 少ない元手で大きな金額を動かせるFXで、億単位の資産を築いた人は多い。FXの「億り人」はビギナー時代にどんな失敗をし、そこから何を学んで成功したのか? FXで資産を増やす秘訣(ひけつ)を聞いた。

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■「ねえ、為替レートって、なんで動くの?」

 27歳でFXをはじめ、たった数年で資産1億円を達成したYSさんが為替に興味を持ったきっかけは、大学時代の友人の一言だった。

「ねえ、為替レートって、なんで動くの?」

 当時、YSさんは銀行勤務で、外貨建て保険商品を販売していた。その何げない質問でFXに興味を持ち、FX会社のデモトレード口座でやってみたら、おもしろかった。半年間練習して、貯金350万円でデビュー。

「最初は、というか、ずっと失敗の連続でした。デモトレードと、身銭を切った取引は別物でした」

■脳内までクラッシュしそうになった2019年の正月

 一番大きな損失は2019年1月3日、年始早々の薄商いの中、米ドル/円が急激に暴落した「フラッシュクラッシュ」。たった15分間で2000万円が消えてしまった。脳内は真っ白。それはそうだろう。350万円を6倍以上に増やしたのに、たった15分間でーー。

 しかしYSさんはFXをやめなかった。コツコツ投資に徹した。イギリスでEU(欧州連合)離脱強硬派のジョンソン氏の首相就任が確実になったときには英ポンド/円の取引、トランプ大統領時代は米ドル/円でコツコツ。

 徐々に資金量を上げ、1回のトレードで平均50万~100万円、最大400万円の利益を積み上げていった。ついに資産1億円を達成したのは4年後、31歳のときだという。

■欲に負けたらおしまい、熱くなったら退場 

 成功した秘訣はどこに?

「資金管理と損切りルールを絶対守ること。それがすべて。欲に負けたらおしまい、熱くなったら退場。少しでも失敗したらルールを決め直す。

 感情や欲望は抑え、機械的なトレードに徹する。『ここはチャンス』と思えば大きく張り、『ダメだ』と感じたらすぐ逃げる。その繰り返しがトレード技術向上の秘訣です」

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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