早慶が主要424社を席巻(AERA 2021年12月13日号より)
早慶が主要424社を席巻(AERA 2021年12月13日号より)

 日本を代表する私大の2トップで、ライバル関係にある早稲田大学と慶應義塾大学。主要424社への就職状況も見ながら、圧倒的な強さを誇る両校を徹底比較する。「早稲田と慶應」特集したAERA 2021年12月13日号から。

【主要424社調査】「早慶」の就職状況を徹底比較

*  *  *

 コロナ禍が直撃した今年春の就職状況を見ると、例年より厳しかった様子がうかがえる。2月1日時点の就職内定率は89.5%(厚生労働省・文部科学省調べ)で、前年より2.8ポイントも下落した。そんななかでも相変わらずの強さを見せたのが早稲田大学と慶應義塾大学だ。

 大学通信が調査した主要企業424社への早慶それぞれの就職者数を見ると、大学別就職者数(主要51大学)で1位の場合は赤、2位は青、3位は緑で示すと、早慶どちらかの学生を最も多く採用している企業が多いことがわかる。

 2020年度の卒業生(大学院生を含む)は早稲田が約1万2500人、慶應はその7割弱の約8500人のため、一概に数だけで比較はできない。ただ、慶應はメガバンクやコンサルタント、不動産、広告、放送など年収の高い大手企業への就職が目立つ。早稲田は金融、商社からメーカーまで幅広く人材が輩出していることが見てとれる。

 オープンワーク働きがい研究所の出身大学別年収ランキング(18年3月~21年1月にオープンワークへ登録のあった年収・出身大学のうち、100件以上のデータがあった大学206校、11万5265人が対象)では、30歳時点の年収が慶應は私大トップの687万円で早稲田は625万円。その差は60万円以上だ。就活塾「ホワイトアカデミー」の竹内健登塾長が説明する。

「慶應はコンサルや金融など年収の高い大手企業を目指す学生が多いです。創立者の福澤諭吉が一万円札になっているぐらいですし、自分たちで日本経済を回すんだという意識が強い。早稲田の学生は自分のやりたいことで選ぶ印象があり、社会への興味が強い。就職活動の動き出しは圧倒的に慶應が早く、うちへの入塾時期も慶應は3年の夏頃で、早稲田は12月や1月。サークル活動に力を入れ、引退した後に就活を始めるようです」

 コンサルの「ビッグ4」と呼ばれる人気企業から内定を得た慶應・経済学部3年の男性(22)は、3年生になってすぐ本格的に就活を始めたという。

次のページ